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個別記事の管理2019-02-17 (Sun)


お久しぶりです。
連載おわったあと、何だかんだ忙しくて。(とりあえず、インフルにもならず元気です)すっかりご無沙汰しております。


実は2月早々に社員旅行ありまして。
札幌雪まつりツアー笑

というわけで、折角なのでそれをネタに小話をと。
ちまちま書いて二週間かかったわりに短いし、大して内容のない話でした……orz

時代は現代で(とういか、今年の雪まつりしかわからない……)、結婚五年目くらいのイリコトなイメージです。
原作でもふるほのでもご自由に変換を(^w^)
おもいっきり日キス意識したタイトルだけどねっ……(((^^;)
ヤマナシオチナシイミナシ(えっちなし)な話ですが、続きからどうぞ♪




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※





寒い……

寒過ぎる。


真っ暗な空からはちらちらと白い粉雪が降っている。
はじめは暴風雪警報が出るとかでないとかの予報だったのだから、きっとマシな方なのだろう。例え、今が-7度の気温だとしても。

そう、防寒は完璧だ。ヒートテックにタートルネックにセーターにダウンにその上にロングコート。防水防寒ブーツの靴底にカイロだって敷いてる。ニット帽に手袋に、顔が隠れるくらいのぐるぐるマフラー。

ああ、顔が隠れているから、入江くん、あたしを見つけてくれないのかしら?

そう思って、少しマフラーを下げると、氷点下の冷気が顔を直撃する。
マフラーに積もっていた雪がふわりと舞い上がり目に入った。


ここは真冬の北海道。
札幌雪まつりの会場である大通公園西一丁目だ。

人通りの激しいテレビ塔の真下で、琴子は一人、寒さに震えながら佇んでいた。

こんなに極寒の世界なのに、さすがたった10日しか開催されない雪まつり期間だ。それこそひしめくくらいの見物客たちが、しっかり防寒をしつつ、みな白い息を吐きながら、楽しげに行き交っている。
特に夜はライトアップされ、イルミネーションがメインストリートを彩る。さらにはプロジェクションマッピングも雪像に映し出され、幻想的な光景を造り上げていた。クリスマスはとうに過ぎたけど、煌めく電飾はやはり心踊るものがある。

テレビ塔も、美しくイルミネーションが光り輝き、街のシンボルとして公園を見下ろしていた。(ちなみに公園側しか点灯されないらしい)
デジタル時計の表示は7:09とある。






直樹との待ち合わせ時間は午後6時半だった。すでに40分ちかく待っていることになる。

ーー確かにテレビ塔って言ったよね……
寒いから地下のカフェで待ってろって。

地下のグルメコートに行ったら珈琲店は満席で入れなかった。
しばらくその辺りでうろうろしていたが、時間になっても現れないので、本当に此処でよかったのかと不安になり、地上と地下を行ったりきたりしていた。

あれ? もしかして、時計台だった?

そうだよね、札幌といえば時計台じゃないのぉーー!
あたしってば、ちゃんと時間がわかるし(デジタル表示の方がみやすいし!)、目立つから、テレビ塔とばっかり思ってたけど!

えーーでも! 時計台って……どっちだろう!?

琴子はだんだん自分が間違えたのかと不安に思い始め、挙動不審にキョロキョロと辺りを見回す。
時計台はメイン通りから二本離れた北一条通りですぐに行ける距離ではあるのだが、方向音痴の琴子は全く自分のいる処からの方向がわかってない。その時計台にも地下があって、そこのカフェで待ってるのだろうか。
札幌駅から地下街を歩いてきたのだが、もうどこから来たのかわからなくなっていた。下手に動いて迷子になるのは分かりきっている。




ーーそもそも。
何故、琴子が一人で雪まつり会場に来ているかというとーー。




「札幌で学会? いいなぁーー。ほら、丁度雪まつりの開会の日だよ! 一度行ってみたかったんだよね~」

突然の報告ではあったが、一ヶ月前にお知らせだったのはまだマシな方だ。

「別に遊びに行くわけじゃないし」

「でも、きっとススキノで飲み会とかするよね……キレイなお姉さんのいるお店で……」

「…………」

連れていかれる可能性は否定できないので無言になる。
別にそんなところ、行きたいわけではないのだが。

「やっぱり~~」

すでに琴子の頭の中は、直樹の隣を奪い合うように陣取りしなだれかかる北国美女のキャバ嬢たちの姿が占領し始めていた。

「琴子ちゃんもついていけばいいのよ」

直樹と琴子の話を聞き耳を立てていた紀子がにっこり笑ってあっさり云う。
「知り合いに大学教授の奥さまとかいるけれど、割と頻繁に家族を同行して学会とかシンポジウムにいく方も多いようよ?」と援護射撃をくれた。「なのに、なんでこの息子は……」を直樹を睨めつける。

「連れてってもいいけど、構ってる暇ないし。第一、来月のシフトはもう決まってるだろう?」

「えーと、ちょっと待ってよ! 3日からは無理だけど、2月4日なら……夜勤明けだし、前に特別休出したときの振替休日もらえるから……一泊くらいならなんとかなるかも~」

スケジュール帳をみてにらめっこをしている横で、紀子がさくさくとPCを開いていた。

「お兄ちゃんの学会の泊まるホテルは何処? あら、ビューホテル。いいわね、雪まつり会場の真ん前じゃない」

「絶対に、今からじゃ取れないぞ」

「ふふ任せてちょうだい。一泊とは云わず二泊でも三泊でも……北海道をたった一泊なんて勿体ないわ~~」

「無理だ。6日は日勤でオペも入ってる」

「はい。あたしもこれ以上は……」

「仕方ない、一泊で手を打つけど、ちゃんと楽しんでね~」

にやりと笑って、電話をし、「パンダイの入江ですけど」の一言で、あっさりと学会で確保していたシングルルームを最上階のエクセレンシィフロアに変更させた。
雪まつり期間、しかも中国が旧正月で大量に観光客が押し寄せている時期なのに、恐るべし、入江紀子。
さらにはどういう裏技を使ったのか、飛行機の往復チケットもあっさり購入。
電光石火の早業である。
こんなの結婚式の予約を二週間前に取ったことと思えば屁でもない。

こうしてーー思いもかけない北海道弾丸旅行が決行されたわけだ。



そして、今、琴子は北の大地に降り立っている。

琴子のシフトの都合で直樹とともに旅立つことは出来なかったが、直樹の1日後に追いかけるように出発し、学会を終えた直樹と札幌で落ち合うこととなった。

「おまえ、一人で飛行機、乗れるの?」

「し、失礼ね! 大丈夫よっ」

そういいつつ、パスポートの期限が切れていないか確認しようとして、盛大に皆から突っ込まれた琴子である。

その日は夜勤のあと、紀子に羽田まで送ってもらった。実は一人で飛行機に乗るのは初めてだった。一人旅なんてしたことがなかったことに今更気がついたのだ(家出はしたが近距離だった……)。
荷物を預けなくてもいいように手荷物は機内に持ち込めるボストン1つ。紀子が出発ロビーまでついていてくれなければ、迷子になってうろうろしてしまったかもしれない。紀子に盛大に見送られ、一人で保安検査場に入っていくのにも少々緊張した。ブーツの金属が反応してしまい、さらにあたふたと慌てる。
なんとか搭乗して、ほっと安心したら、
夜勤明けのせいか、離陸に気がつきもせずに爆睡していて、目覚めたら北の大地、雪降る千歳空港だった。CAに揺り起こされ飛行機から慌てて降りた。これが電車の類いなら完全乗り過ごしだ。そして、なんとか快速エアポートに乗って札幌駅に辿り着いた。
あとは、道行くひとに訊ねまくり、迷いながらも(地下道一直線で大通公園まで辿り着けるのに何故か右往左往)、この大通公園に着いたのだ。
それが15時ごろだったろうか。
朝、義母の作ってくれたおにぎり一個を食べたきりだったが、初めての場所に一人で飛行機で訪れる緊張感からか、全く空腹を感じていなかったのが、とりあえず目的地に到着できた安堵感からか、やっとお腹がぐうぐうと空腹を訴えてきた。

北大でのシンポジウムが終わったあとの直樹と待ち合わせ時間までは三時間ほどあった。
晩御飯は二人でゆっくりと食べたい。
とはいえ、それまで、空腹で倒れそうだ。
空腹を誤魔化すために、少し会場を見て回ろうとしたのだが、自衛隊製作の大雪像をひとつみたところで、食のグルメ会場なる沢山の露店のビジュアルと薫りに一気に引き寄せられる。

がまん、がまんよー入江くんと美味しくディナーよ~~

と自分に言い聞かせていたのだが、気がついたらふらふらと屋台巡りをしていた。

ああ、カニだわ!カニ! 甲羅焼きにカニ天!
焼きガキ! 焼きホタテにホタテ汁! 海鮮丼!! うに、いくら……やっぱりこの季節の北海道は海鮮よね……
じゃがバター! とうもろこし!
ザンギですってぇ。ええ、知ってるわよ、鶏の唐揚げのことよね!
え? ゆめぴりかの甘酒! 美味しそう!
白い恋人のチョコレートドリンク!
ホットジェラード、ナニソレ?

ああでも寒いから、やっぱりラーメン!
スープカレーもあるわ~~
まあ、ジンギスカンまで!

この空間に北の名物、すべて網羅してるっっ
それどころから神戸牛から仙台牛タンまで……ああ、なんて立派なフランクフルト……

肉の焼ける香ばしい匂いにふらふらと屋台に吸い寄せられる。
ヨダレを垂らしそうになり、こっそりマフラーで隠す。

だめ! だめよ、琴子! ここで食べてしまったら、入江くんとディナーが……
負けちゃだめ! 屋台に惑わされてはいけないのよー

いや、でもスイーツくらいなら……
ううん、一個食べたら、もう箍が外れる気がする……

心のなかで葛藤が始まる。

こんな危険地帯に居てはいけないわ! そうよ、雪まつりよ。雪像を見なきゃ。

あら素敵~これがウワサの初音ミクね!
夜にはプロジェクションマッピングがあるんだー
あら、巨大カップヌードルから湯気が~おもしろーい。
滑り台もついてる。子供しかいないけど……滑っていいかしら?

あ、写真とらなきゃ、写真!

ーーと、スマホを取り出し撮ろうとした瞬間ーーー見事に滑って転んで、スマホを落とし、思いっきり踏みつけーースマホをぶち壊してしまった。

やばっ!どうしよう!
入江くんと連絡取れなくなっちゃう!

真っ青になったものの、スマホは画面がバキバキに割れ、そして電源は全く入らない状態だった。

でも昔のカップルはこんなものなくてもデートしてた訳だし。待ち合わせ場所と時間は決めてあるのだから、きっとなんとかなるわ! と基本楽天的な性格なためにすぐに立ち直る。

ああ、でもあんまりウロウロすると迷子になるから、やっぱりもう待ち合わせ場所に戻ろうーーと、テレビ塔の地下にやってきたのだが、一向に現れない直樹に、約束の場所がテレビ塔だったのか時計台だったのか自信がなくなってきた。

ーーどうしよう……でもこの時間になっても来ないってことはやっぱり待ち合わせ場所、違ってたのかなー?
ただ遅れてるだけならいいけど。
ううースマホ壊れたから確認取れないよー。
うーん、下手に動いてまた迷子になっても……

わー、雪がまた降ってきたよ……凍える……。

こーゆーのなんてったっけ……なまら、しばれる……。


「おねーさん、一人~?」

スマホの時計が壊れたので何度もテレビ塔のデジタル表示を確認し、やっぱり時計台に向かおうと踵を返した途端、酔っ払いらしき会社員風の男二人が琴子に声を掛けてきた。

「いえ……待ち合わせで……」

「わー、頭に雪積もってんじゃん。こんなとこに立ってたら凍え死ぬって。ほら、ホットワインでも飲んで~」

そういって、まだ湯気の出ているカップを目の前に差し出してきた。
ふわりとアルコールの匂いが鼻をつく。

「いえ、あたしは……」

「ほらほら早く飲まないとすぐ冷めちゃうよ~」

勝手にマフラーをずらして、口元に押し付けてこようとする強引な男たちに、琴子は思わず後ずさる。

その時、突然男がぐいっと後ろに反り返り、その弾みでホットワインは空を飛び、白い雪の地面に赤紫の液体が飛び散った。

「え!?」

「……ひとの嫁に何を飲まそうとした? 」

「入江くん!」

どうやら直樹が男の襟首を掴んだらしい。
間近で鋭い眼光で睨み付けられて、男は「ひっ」と怯えた声をあげた。

「ただのホットワインですよっ! そんな変なものじゃ……あまりに寒そうだったから……」

「そうそうススキノの風俗行くより手軽にナンパできそうなんて思ってませんって!」

コントのように本音をけろっと白状するあたり相当酔っぱらっているようだ。

「へー、ナンパして何処に連れ込むつもりだ?」

「えーと……」

マイナス7度の外気よりも、さらに10度くらい低くなったような気がして、男たちの酔いが一気に冷めた。心なしか唐突にブリザードまで吹き荒れているような……

「ワイン一杯で手軽にナンパできると思ったら大間違いだ。こいつはワイン一口飲んだだけで狂暴凶悪になる。おまえらじゃ手におえねぇぞ」

「そ、それは失礼しました~」

直樹に凄まれて脱兎の如く逃げ出した二人の男を、琴子は呆然と見送っていたら、こつんと頭にげんこつが降ってきた。

「……ったく、何やってんだ。少し遅れるってLINEしても既読になんないし」

「えーと、ごめん。スマホ壊れちゃって……」

「はあ? またかよ。これで何台目だよ?」

「この一年で三回壊したかなー? あたし、どうにも機械との相性悪くって」

「そういう問題じゃねぇだろ。この破壊魔」

呆れるようにため息をついたあと、手袋を外し、琴子の冷たい頬に触れる。

「……ったく、こんなに冷えきって。ずっとここで待ってたのかよ。なんでカフェに入んなかったんだ」

「ずっと満席だったんだもん……」

拗ねたように上目遣いをする。

「たしかに、その場合を考慮しなかったのは失敗だったが……せめて地下の店の近くにいればいいものを。グルメコート、一軒一軒捜してまわったんだぞ」

「なんか、ほんとに此処でよかったのか自信なくなってきて」

「そうやって、ウロウロするから迷子になるんだよな。全くこの寒空に……雪まつり会場で遭難とかシャレになんねーぞ」

「三時間くらい時間あったから、少し一人で見て回ったの。だから少し冷えちゃった。三回くらい滑って転んで、途中で諦めたんだけど」

「それでスマホ壊して? まあ、おまえが怪我しなくてよかったけど」

東京で雪が降ると、救急外来は大にぎわいだ。

「地味にあちこち痛いけどね……青タンいっぱい出来たかも……だからもう、ここで入江くん来るのをひたすら待っていようと」

「あとでしっかり見てやるよ」

打撲の鬱血痕以外のものが翌朝増えているかもしれないが。

「ったく、会えなかったらどうするつもりだったんだか」

「でも入江くんは絶対来てくれるって信じてたし~」

LINEは既読にならない、待ち合わせ場所にはいない、何度電話しても全くでないーー直樹がどれくらい焦ったのか、想像もしていないように、嬉しそうにふんわりと微笑む。

ようやく見つけた時には変な奴にナンパされていたものの、とにかく無事でいてくれて、どれだけ安堵したことか。
いやーーきっとあいつは携帯、機内モードにしたままだ! と、予想はしていたのだがーーー。
まさか壊したとは。

「ご、ごめんね~どのみち、飛行機降りてから機内モードから戻すの忘れてたかも」

やっぱりな。
想像通り過ぎて叱る気にもなれない。

「まあ、いいよ。それより腹へった。何くう? 多分雪まつり期間はどうせ予約とかできないらしいから、空いてるとこ飛び込むしかないかも」

「何処でも! 入江くんとなら、その辺の屋台でもなんでも!」

「なんでもいいって……おまえ、目がしっかり屋台を追いかけてるだろう…」

「うう……ずっと指を咥えて見てたので……お腹すき過ぎて……」

「ま、今から店を探すのもな。どうせちゃんと会場見て回ってないんだろ? 食いながらみようか」

「うん!」

がしっと飛びつくように直樹の腕に巻き付く。

「ふふ、入江くんの腕、あったかーい」

「おまえは、冷え冷えだな……やっぱり何処か店に入った方が……」

「大丈夫。入江くんに触ってるだけで、心があったかくなって、身体もあったまるの~」

「おれは懐炉か」

それでも、少しでも自分の体温を伝えようと琴子の身体を自分に引き寄せる。

食事はここでさくっと済ませ、とっととホテルにチェックインして、琴子と身体の芯から温まりたい。
凍てつく雪像も一瞬で溶けてしまうくらい、熱く燃える夜になるだろう。
少しばかり心配させられた代償はしっかりもらうからな、と内心思う。

「い、入江くーん、歩くのはやーい」

「早歩きの方があったまる」

いや、自然と気持ちがホテルに向かってただけだ。

「滑るよー。すってんころりんするよ」

「大丈夫、おまえじゃない」

「えー、そりゃあたし何度も転んだけどさ」

実は昼間より夜の方が滑り止め剤をガンガン撒くので滑りにくくなっているようだ。アイスバーンも滑り止めの砕石が混ざって、大分歩きやすくなっていた。

「で、まず何食うの?」

「えーとね。まず、やっぱり……たこ焼き?」

「……………」

何故、北海道まで来て……タコ焼き……??
せめてイカ焼きでは?

確かに、お祭り屋台では間違いなくとりあえずのタコ焼きが琴子ルールなのは、よぉぉーく知ってるが……

「好きにしろ……」

そして熱々のタコ焼きをパクつきながら、バカルディのホットモヒートとホットトディで身体をあたため、いかめしやらカニの甲羅焼きなどチョイスし、時折テントに避難しつつ雪まつりを見て回った。
さっさと見てホテルへ急ぎたかったのに、雪像ひとつひとつに丹念に見て、あれこれ話すので、なかなか時間がかかる。

「おー、チコちゃんがいっぱい♪」

市民製作の雪像にも一つ一つ丁寧に感想を述べていく。
寒いと思っていたが動き回るとそれなりに暖かくなってきた。アルコールのせいもあるかもしれない。酒に弱い琴子もそれなりの度数の強いラム酒ベースのモヒートをかぷかぷ飲んだ割には平然としているのはやはり吐息も凍りつく外気のせいだろう。

何だかんだ会場の端の12丁目まで歩ききった頃には、二人して雪まみれの割には身体はそんなに寒くはなかった。

「ホテルは8丁目の大通公園近くだから」

「わー、近くてよかったー。ちょっと、滑らないよう大地を踏みしめて歩いたらなんか、変な筋肉使ったみたいで筋肉痛になりそう」

「じゃあ、それがわからなくなるくらい、がっつり運動するか?」

「へ? ホテルにジムでもあるの?」

「ジムなんてなくても、アクロバティックで刺激的で手頃な運動が……」

直樹の意図を悟った琴子は、軽くひきつった笑みを浮かべて「いや、明日は、ちゃんと時計台とか赤レンガ庁舎とか~、クラーク博士とか小樽とか行きたいし~スイーツ色々お買い物したいし~お手柔らかにね?」と小声で呟く。

近場を軽く観光して夕方の便で東京に戻らねばならない。

「まあ……明日観光できるかどうか保証はできないがな」

琴子の耳には届かないくらいの小声で直樹も呟く。

テレビ塔のデジタル時計は20時を回った。まだまだ人通りの多い札幌の繁華街は、活気に溢れている。

「ここでキスしたら、唇くっついちゃうのかなー?」

氷点下の冷気で唾液も凍りつくのだろうかと考えたのだろうか。
いや、体温で唾液は温かいからそれはないだろう、とは突っ込まずに、「試してみる?」とにやりと笑い、琴子の唇を掠めとる。

かさかさに乾いて冷たかった唇が、あっという間に熱を帯びてしっとりと濡れてきた。
二人のうえにひらひらと舞い落ちるパウダースノーの欠片はその熱にあっさりと溶かされていくようだ。

本当にーーこのままずっとくっついてしまってもいいくらい……幸せ♪




白く染まる氷点下の世界の中で。
このふたりの半径数メートルだけは春爛漫。

ホテルの夜は熱帯夜になること間違いないのであるーーー。







※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


はい、というわけで、ほんと、とりとめのない話ですみませんでした~。

バレンタインアップも叶わず、旅行から既に二週間たってます。今年の雪まつりもとうに閉幕しております、はい……(((^^;)よろしければ、来年ぜひ、行ってみてくださいませ。

私が行った時はガイドさんも驚く、北海道にしては温かい日だったようで、覚悟していったほどの寒さではなかったです。次の週には記録的な寒気で陸別で-30°、札幌でも-14°とかいってたのでかなり運がよかったなーと。

あ、実は社員旅行だけど札幌雪まつりの日は自由行動で。なんと、わざわさ会場に出向いてくれたむじかく様と久々に再会いたしました(^-^)v
そして、一緒に同僚もいたんですが、行きたいと話してた回転寿司のお店に、案内してもらっちゃいまして! 絶対うちらだけじゃあんなにスムーズに辿り着けなかったわ~~ 至れり尽くせりの現地ガイド笑。ありがたや。
いや、ほんと、北海道の回転寿司、美味しい~~!

むじかく様、ありがとうございました。他にも色々とお世話になりまして。同僚たちもめっちゃ感謝してましたよ♪


また行きたいなー北海道。今度はもっとあったかい季節に……(^^)





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* Category : 短編
* Comment : (12) * Trackback : (-) |

札幌行きたいな… * by 麻紀
お話ありがとうございました―。
なんか、琴子ちゃんがすごく琴子ちゃんらしくて、微笑ましいです。
でもスマホ壊し過ぎ(汗)


アクロバティックで刺激的で手頃な運動

…が、ツボで、家族がいるのに笑っちゃってやばかったです(笑)


札幌、コンサートの日程絡めて、家族旅行も兼ねて行くのがずっと夢だったのですが、なかなか叶いそうにないですね…。


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Re.麻紀様 * by ののの
コメントありがとうございました♪
リコメ遅くなって申し訳ないです。

ふふ、琴子ちゃんらしいって言ってもらえて嬉しいです。
原作の時代は携帯もスマホもなかったけれど、きっと琴子ちゃんはなくしたり壊したりして、あまり意味をなさないのでは、なんて想像しちゃいます。

いやーツボってもらえてよかったー笑(私もスマホで二次読んでて、時折にまにまとヤバい顔に…)

札幌ドームの横、何度か通りすぎましたよ〜ああ、ここにも彼らがきたのねーって(^^)
また夏に行きたいなー♪

Re.マロン様 * by ののの
コメントありがとうございました♪

リコメがまたまた遅くなりましてすみませんっ
いやー描写が詳細でしたか?f(^_^;もはやネタのために社員旅行参加したようなもんです笑
生かせてよかった(^w^)
自分じゃ、なかなか行けないですよね。紀子さんのようなパワフルな人がいないと!
トラブルメーカーの琴子ですが、今回はスマホ壊しただけですみました。ナンパ野郎、もっとガンガン行かせようかと思ったけどせっかくの北海道ですから、トラブルは割愛しまして、直樹さん、あっさり琴子を回収です。ええ、さぞ熱い夜を満喫したことでしょうね♪


Re.ひまわり様 * by ののの
コメントありがとうございました♪
リコメ、めっちゃ遅くなりまして申し訳ないです。

ひまわりさん、一人で飛行機乗られて旅行とかされちゃうんですねー。
私、一人で飛行機乗ったことないんですよ〜(息子は小学校の時に一人で乗ってるのに)ドキドキしちゃうかも笑(新幹線、一人旅はありますが)
今はスマホがあるから、なかなかすれ違いとかないですよね。でもきっと、琴子はスマホに頼らない女でしょう(スマホ壊れてなくても、突然電源落ちるとか、マップ表示されないとか、なんやかんや使いこなせない予感…)

おお、来年、北海道! 私も寒くない時に行きたいです(初北海道も3月で雪降ってた…)
雪まつり、いいですよー。ぜひご家族で!


Re.ちびぞう様 * by ののの
コメントありがとうございました♪
リコメ、遅くなって申し訳ないです。

早々に更新気がついてもらえて、面白いといってもらえて嬉しいです!

いまいちたいした事件は起きませんでしたが、すんなり会えないのはお約束、ということで。琴子を探し回る入江くん、萌えますよね〜。でも彼はつるつるの雪道走り回っても転けないんだろうなぁ笑



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* by なおちゃん
迷子の天才の、琴子ちゃん一人で、入江君の、いる北海道大丈夫かて‼️思ったら、やっぱり迷子、変な、ナンパ男出て来て大丈夫かて、思ったら入江君の登場、私も、チコちゃん人形見ましたよ‼️お盛時にも可愛い人形じゃないですよね⁉️あれ、それにしても、紀子ママは呑気だは、二人は、今や、看護師と、医者で、勝手に休みは作れません‼️v-238

Re.みかさ様 * by ののの
コメントありがとうございました♪

初めまして! 初コメの方にコメントいただくの久しぶりで嬉しいです(^^)なのに、リコメ、こんなに遅くなって本当に申し訳ありませんっm(__)m

そんな、睡眠不足になるくらい読んでいただけたなんて、書き手としては嬉しい限りです。
まあ、名古屋にいらしたのですね! そうそう、日キスの初の地上波は東海地方でした〜あれ、結構カットされてたんですよね〜普通のドラマと違って元はしっかり1時間あったし16話もあったし。
まあ、今は……入江邸のご近所かも!?(^w^)
いいですね♪

嵐さんのライブ、実は落ちちゃったんですが、休止前ラストイヤーもツアーがあるといいなぁと心から願ってます。

ゴゴキミの続き、ちょっと書こうかな〜と思ってはいるんですが四年経ってると思ったより難航………(でも、ガンバリマス…)
LOVE IN NAGOYA…実はソウさんが名古屋探訪ネタ書いてらっしゃるので、名古屋は書きにくいなーと思いつつ、東山動物園のボートには乗せたいともおもってるんですがf(^_^;
(噂のピンクのラブチャレンジ号に……ふふ絶対入江くん嫌がるだろうなぁ)

それでは、またよろしければコメントいただけると嬉しいです♪



Re.なおちゃん様 * by ののの
コメントありがとうございました♪

そうそう、やっぱり迷子の琴子ちゃんですf(^_^;(札幌って、わかりやすい街なのに〜)ふふ、チコちゃん人形、ご覧になられたんですね。確かにかわいい……というキャラでは……笑
ゴリ押しの紀子ママ、やはり最強ですね(^w^)

コメント







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