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Snow Blossom

イタズラなkissの二次創作ブログです。

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Silver Wedding Anniversary(終)(2/17 イラスト頂きました)



2話続けてアップしております。未読の方は(9)から先にお読みください。

(2/17 追記 ) emaさまに描いていただいたレインボードレスのイラストいただきましたので、差し替えました♪


※※※※※※※※※※※※※※※※※※




「Congratulation, Silver Wedding Anniversary NtoK」


琴子が子供たちから送られたシルバーリングの裏側に刻まれた文字を眉間に皺を寄せて読んでいた。
それくらいの英語くらいスラスラ読めよ、内心突っ込みつつ、突っ込みどころは別にある。

「NtoKって、おれが贈ったわけじゃないのにな」

無論直樹のにはKtoNとある。

「子供たちのちょっとした気遣いよ。成長したわよね~」

「まだまだ途上中だけどな」

「当たり前よ。いっくらもう選挙権あるとはいえ、みーちゃんまだ未成年よ」

民法改正はまだ三年後の話だ。

「早いよね~あっという間に二十歳になっちゃうよ! どーしよう……」

「どうしようって……その分おれたちも歳くってるわけだし」

「そーだよね。自分が四捨五入したら50歳って信じられないよ。全然、変わらない気もするけど」

「結婚して四半世紀も経ってるんだ。変わらないわけがない。一見、若く見えても……お互い、髪に白いものが混じりだしたしな」

「そーなのよ! あたし、自分の白髪見つけたときもショックだったけど、入江くんの白髪を見つけた時の方が10倍ショックで……」

で、でもよくよく考えたら白髪になる毛があるって、そこは安心よね……あ、あ~~でもね! 入江くんが白髪でもつるんつるんに禿げても、お腹出てきても、あたし、大丈夫だからね? どんな入江くんでも大好きだから!

慌ててフォローする琴子に若干不機嫌そうな顔を見せた直樹だが、「女は染めてるからわかんないけど、おれより白いだろ?」と髪の根本を覗きこむ。

昔は髪は前髪と毛先を切り揃えるだけで美容院の回数も多くはなかったが、今はカラーリングの回数がかなり多くなった。ついでに美容師からアンチエイジングのあれこれをオススメされるとついうっかりお試ししてしまう。
童顔だの美魔女だの云われているが、少しずつ変化はきている。当たり前だ。別に本当に不老不死というわけではないのだから。

「肩凝りもひどくなってきたし、腰にもくるし、目もついつい資料見るとき遠くに離しちゃうし……」

ため息をついたあと、でもすぐにふわっと笑い、
「それでもーー歳を重ねていくのって悪くないな、って思うの。こんな素敵なリングを子供たちから贈ってもらえるのよ?」

「………だな」


ふたりいっしょならーー


25年前と同じホテル。
ただ部屋は紀子が予約したオーシャンビューのデラックススイートだ。
もちろんダブルベッド。
いや25年前こそ、スイートでなくてもダブルベッドにしてほしかったが、所詮学祭の景品の旅行券、しかも突然の予約だったためスタンダードツインしか取れなかったのだ。
そのリベンジで一泊だけ二人で過ごすようにと、この部屋を取ってくれたのだ。
2人だけでは広すぎる部屋の窓際のベッドに寝そべって、子供たちのくれた指輪をつけて空にかざしながら、星降る海を眺める。

「シルバーってお手入れ大変で、すぐにくすんでしまうけど、こればっかりは大切にしないとね」

「因みに5年後は真珠婚。パールは色々持ってるからいらないだろ?」

「一番実用的だもんね……この年になると、とくに……着用頻度が高いというか。ああ、でも5年後はみーちゃんに贈ってあげよう。パールのネックレスは大人の女性には必需品だもの」

「それもいいな」

どうしても会話がいつの間にか子供の話になってしまう。

「5年後……もしかして結婚してたりして」

「はぁ? 琴美が? 医学部入ってたらまだ学生だぞ?」

思いっきり顔をしかめる。

「やだーあたしたちだって学生結婚じゃない! あと三年であたしたちの結婚した歳だよ?」

笑い飛ばす琴子に「琴美はおまえと違って恋愛体質じゃないし。恋愛の話なんてしたことないだろ? まだまだ先だ」ふんっとそっぽを向く。

「本当にそう思ってる? みーちゃんが誰にも恋してないって」

そっぽを向いた直樹の頬をつんつんつきながら琴子がにやっと笑う。

「案外、神戸に好きな人がいるんじゃないかなー。みーちゃん、ちょっとファザコン気味なとこあるから、かなり年上だったりして」

母の勘は鋭いのである。

「好きな男を追っかけるために神戸医大にいくなんて絶対許さないし」

「えー、あたしを追っかけて東大蹴ってあたしと同じ斗南大学に行ったくせに」

「はあ? おまえ、何、記憶をねじ曲げてんだ?」

「あれ? 違ったっけ?」

「違う! 断じて違う!」

「そうかなー?」と、くすくすと楽しげに笑う琴子。

話はつきない。
25年分の思い出、これからの未来の話、子供たちや家族の話。

「そういえば今年は親父たち、傘寿の祝いだよな」

「あーそうかー。喜寿からもう三年だもんね。でも未だに二人して現役ってすごいわよね」

「親父もいい加減会長職も引退すりゃいいものを」

「お父さんもね~~そろそろ店を完全お弟子さんに譲ってもいいと思うんだけど。のれんわけはしても、本店は絶対譲らないのよね」

「親父さんが厨房立たなくなったらボケるだろ」

「そうだよね。でもそれは入江くんのお父さんも一緒だよ」

「そうだな」

紀子と重樹も3年後には金婚式だ。今回のお礼に、盛大に祝ってやるのもいいだろう。恥ずかしくなるくらいに、大袈裟に。


「お義父さんとお義母さんは、あたしのお手本夫婦だわ。あんな風にずっと仲良くいい夫婦でいたいよね」

これからも、きっといろんなことがあるだろうけれど。
山も谷も乗り越えて。


「プラチナ婚も越えてワイン婚まで行ったりしてな」

「ワイン婚……? 何年目?」

「85年」

「わー、100歳越え!……ってか、長寿記録にチャレンジな歳かも」

「熟成した貴腐ワインのように濃厚で深みのある夫婦になってるのかな。よぼよぼでしわしわかもだけど」

「ふふ。入江くんは100歳でも矍鑠としてそう」

「おまえは100歳でもパワフルなばーさんになってそう」

ふふふっと互いに笑いあったあと、こつりと額をすり合わせ、触れるだけのキスを交わす。

「あと何十年寿命があるのかは神のみぞ知る、だけどーー命ある限りは、よろしくな」

「昔、いったでしょ? 死ぬまで離れない、って」

「ああ。覚悟してる、って答えたな。いまでも変わらないよ」

「あたしは前言撤回しようかな~~」

にやっと笑う琴子に、直樹が一瞬ぴくりと怯む。

「死ぬまで離れない、じゃなくて、死んでも離れないから!」

そういってがしっとしがみつく琴子を受け止め、「わかった、幽霊になったおまえが常に張り付いてることも覚悟しておくよ」と笑って応える。

「もし……もし、だよ? そんなこと考えるのイヤだけど……もし入江くんが先に逝っても、あたしの傍から離れないでね?」と琴子が少し悲しそうに懇願すると、
「おまえを置いて絶対死なない」と妙にきっぱりと断言する。

琴子は少し驚いたように直樹の顔を見つめ、そして「そっか! じゃあ、安心だわ!」と嬉しそうに微笑む。

シチュエーションを想像しただけで涙目になってしまう妻を置いて、何があっても死ぬものかと思う。
それこそ、寡婦になった琴子の周りに集まってくる男どもを悪霊となっても蹴散らしてしまうだろう。

ただもし、琴子が先に逝くことになったら……自分はそんなに長くひとりで生きることはないだろうと思う。

「25年目は、ちょっとした通過ポイントに過ぎない。これからもまだまだ何かあるかもしれない。まだまだ予測不能な波瀾にとんだ人生が待っているかもしれない。でも、何があっても人生の終着点で傍にいるのはおまえだけだ。おまえといればきっと色々あったけど、いい人生だった、って思えるに違いない」

「あたしもだよ……あたしもきっとそう思う」

そして、再びキスを交わす。
今度は少し深く、濃厚に。

幸せの秤は、まだまだ振り切れたまんま。世界一を保っている。

「あたしはやっぱり世界で一番幸せな奥さんだよ……」

琴子の囁きは、甘美な夜の波の狭間にかき消えていったーー。








* * *




ーーーそして、ハワイへの旅は終わった。

あたしたちは今、東京に戻る飛行機の中。雲上の旅人だ。

式の翌日、あたしはお父さんとお母さんとともに麻帆さんのお見舞いに行き、仮病だと決めつけたことを謝った。
麻帆さんはあっさり許してくれて、そして自分達もひどいことを話していたと謝ってくれた。でも、全部ジョーダンだからね、まじであなたのお父さんや弟を落とせるなんて思ってないから~~とけろっと云われた日にゃ若干眉間がぴくぴくっとしちゃったけどね。
ちなみに麻里さんと麻帆さんだけ滞在を少し伸ばして、他の家族は予定通り帰国するらしい。

「もー、ごめんね、うちの娘たちが色々迷惑かけて」
お母さんの麻里さんが、大きな身体を何度もペコペコと折って頭を下げてくれた。
「でも……ほんとに、二人には助けてもらって……よかったわ、ハワイで再び出会えて。感謝してもしきれない」

そういってお母さんの手をぎゅっと握りしめる麻里さんに、お母さんは照れ臭そうに「医者と看護師なんだから当たり前よ。気にしないで」と優しく握り返す。

お父さんとお母さんの仕事は、こんなにも人から感謝される仕事なのだとーー心から誇らしく思えた。


日本に帰ったらーーもう一度ちゃんとお父さんと話そう。
医者になること。

大学はーーー何処でもいい。
東京でも神戸でも。
不純な想いは全部しばらく箱に閉じ込めて、一度すっきり頭をクリアにしてから、きちんと大学を考えよう。

ハワイから戻ったらーーセンター試験の準備を始めないとね。少なくとも今現在、必死で勉強してるだろうクラスメイトのことを考えると、やっぱり少しだけ焦りを感じるもの。


あたしの隣の席で、お父さんの肩に頭をのせてすやすやと気持ち良さそうに眠っているお母さんの顔を見て、心の中で誓っていたその時ーー。



「申し訳ありません、ドクター登録をされている入江さまですか? 後ろのお席で急病の方がーーー」

CAが足早にやってきて、お父さんに小声で耳打ちする。

そして、さっと立ち上がるお父さん。
眠っていたはずなのに、同じように立ち上がり「あたしもナースなので……」と小声で返すお母さん。
二人とももうしっかりドクターとナースの顔をしていた。


………でもね?

我が家にトラブルの起きない日はないのかぁーーー!!

って、心の中で盛大に叫んだって、決してバチは当たらないよね?
















※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


はい、終わりました。
ええ、わかってます!
色々回収できてません!

琴美の恋愛についてもちょっと濁したまんまです。(詳細にぐだぐだ書いてたのもあったのですが、なんだか話がずれそうでばっさり省略しました)

日本に帰ってどうなっていたかーー琴美のセンター試験も含めて、そのうち書くかも知れませんので(書けないかもしれないけど~~その時はご容赦!)今年の、謎のリスニングキャラクターでもネタにしようかしら~笑(娘も、試験中、なんだこりゃと吹きそうになったらしい)

とにかく、早くイタキス期間2018年のカテゴリーを終了させたかったので、ラストは駆け足な感じになってしまいました。2019年になってようやく、シルバーとレインボーで無理矢理色繋がりにしたうちのイタキス期間、これにて終了です。(ほっ)

現在進行形でもおそらくはどたばたなイリコト……(((^^;)
でも、ちょっと今は若い二人が書きたいかもf(^_^;
このリアルタイムな二人と琴美の話はちょっと後になるかなーー?


とりあえず春先までかなりばたばた忙しいので、かなりの不定期更新になるとは思いますが(今もすっかり隔週更新ですが……花とゆめかよ)。
気長にお待ちくださいませ。

最後に、琴子に着せたイラスト描きたかったけど、時間がなかったのでイメージだけ、レインボードレスの写真を貼っちゃいましたf(^_^;

emaさま、素敵なイラスト、ありがとうございました♪(2/17)





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コメント

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No title 

二人共に、何時までたっても中のよい家族、夫婦ていいですよね👍家の両親も凄く中が、よい両親でした、お父さんは今から四年前に、なくなってしまいましたが、だけど相変わらずに,麻里夫婦、家族は、入江夫婦や、家族に迷惑掛ける人達だくことv-63

Re.マロン様 

コメントありがとうございました♪
相変わらずの遅いリコメですみません。

そうなんですよね〜直樹さん、ハネムーンの時、ただの学生……しかも、転科したばかりで休学してたから、まともに医学の講義も受けてないよね? 随分えらそうにいってたよなー笑

琴子も母としてナースとして成長しました。だてに年は食ってない笑
ま、直樹さんもね(^w^)

とりあえずなんとか、レインボードレスを着せることができ、銀婚式も無事終れました。
琴美の恋愛、その後も期待してくださってありがとうございます。そう言ってくれるのはマロンさんだけだわ(((^^;)あまりにも反応薄かったこのシリーズ、やっぱり若いイリコトの方がいいんだろうなーとグダクダ考え挫折しそうになりましたが、毎回コメントくださるマロンさんのお陰でなんとか終えることができました。ありがとうございました(^^)

  • ののの 
  • URL 
  • 2019年02月07日 23時51分 
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  • [返信]

Re.ちびぞう様 

コメントありがとうございました♪
リコメ遅くなってすみません(((^^;)

あまり琴子がメインではなくて面白くないのではと心配してましたので、そういってもらえてうれしいです。
でも、ちょっとしか出なくても琴子は琴子だと思ってもらえたようで。
ドレス破いたりとか、なんやかんややらかしてるんですよ笑

ほんとはイリコト二人のキュンキュン(してもらえましたかっ!?)シーン、拍手おまけにつけるつもりだったんですが、毎回不具合なことしてしまうので、やめました。

でも、やっぱりこの二人のシーンが1番書きやすかったなー

しかし、直樹さん、琴子に先立たれたら、廃人になりそうな気もしますけどね……


  • ののの 
  • URL 
  • 2019年02月08日 22時21分 
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  • [返信]

Re.なおちゃん様 

コメントありがとうございました♪

まあ、なおちゃん様も仲のよいご両親だったんですね。うらやましい。
ふふ、ほんと、麻里一家は25年たってもなんだかなーの一族です。少しは進化してるのかな〜? 次に会うのはまた25年後だったりして笑
  • ののの 
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  • 2019年02月17日 15時57分 
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