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19970928~1997年のHappy Birthday 3


短くて申し訳ないですが………(((^^;)
※※※※※※※※※※※※※




入江くんがーー
入江くんが東京ーー!?
これはいったいーー

どーゆーこと?
どーゆーこと?
どーゆーこと?

琴子はあまりの衝撃に言葉も出ない。
へなへなと思わず床に座り込んでしまう。


「だって……だって、今日は仕事だって……シフト表みせてもらってたし……だから、あたし、あたし……」

呆然自失の体の琴子に、佛円は気の毒そうに声をかける。

「あいつ、琴子さんにはなんにも言うてないんやーー森村さんに聞いたんやけど、今日、誕生日なんやろ? 」

「ええーっ! まさか、それで入江くん、東京に!? サプライズ? 仕事、わざわざ休みとって、あたしのためにサプライズ!?」

うそーうそーうそー!
そんな奇跡のような出来事が………

「…………なのかな? なんかついでに浜松で学会がどうとか云ってたけど」

あたしのために……
あたしのために………

息が止まりそうなくらい胸が熱くなり、じわっと嬉しさが込み上げる。


はーいって、扉を開けたら入江くんが真っ赤な薔薇の花束持って
琴子、誕生日おめでとうーーって
おめでとうっておめでとうって………

そう………なるはずだったのに……!
それが………


こんな風にすれ違ったら意味ないじゃない~~~! とすぐに絶望的な気分になる。

どうして、どうして、こんなことになっちゃったの………
きっと新幹線、何処かですれ違ったのね。
なんてことなのーー!

いや、待って、琴子、こんなとこで嘆いていたら時間が無駄に過ぎるだけよ!
せっかく入江くんが東京まで来てくれたのに!

琴子はすっくと立ち上がり、ぱんぱんとスカートの埃を払う。
そして、キッと顔をあげて、

「佛円さんっありがとうございました!
あたしすぐに東京戻ります!」

来たばかりだが、直樹のいない神戸に用はない。
琴子は佛円に頭を下げ、くるりと踵を返すと駆け出した。

「たしか、入江先生、ついでに浜松に行くゆうてなかったっけ……?」

思わず呆気にとられつつ、佛円はあっという間に目の前から消え去った琴子の後ろ姿を見送っていた。





病院を飛び出して玄関先に停車していたタクシーに飛び乗ろうとした琴子に、「琴子さーーーんっ」と大きな叫び声が降りかかる。

「え?」

はぁーー走った~~~~!!


そう前屈みになって肩で息をしているのはーー

「かをる子さんっ」

驚く琴子に、かをる子はぜーはー息を切らしつつ、自分の携帯電話を差し出した。
夏休み明けに、ボーナスで携帯買ったんだーーっと電話で云っていたことを思い出す。
この数年前頃から携帯電話は爆発的に普及し始めていた。ただ病院では使えないからあまり意味がないのだそうだ。

「こ、これで自宅に電話して。今、入江先生、東京の自宅にいるから」

「え? ええーー?」

よく分からないまま、携帯を受けとり自宅の番号を押す。

『…………琴子か?』

「い……入江くんっ?」

電話はワンコールで繋がった。
目の前で待っていたのだろうか。

『………琴子……おまえ、なんでそこにいるんだよ………』

「い、入江くんこそ、なんで東京に……帰るつもりだったなら云ってくれればよかったのに~~」

つい愚痴めいた物言いになってしまう。

『………今回のことも突然決まったんだ。何が起きて予定がまた変わるかわからねぇし』

そうかもしれないけど……
でも帰るかもしれないと知ってたら神戸に来たりしなかったよーー

言いかけて、繰り言になりそうで言葉を飲み込む。
自分だってこっそり内緒で来ようとおもったわけだし。

『……ま、おれも、おまえの行動を予測して然るべきだったのにな……』

互いに少しの沈黙のあと、

「い、入江くん、待ってて! すぐに東京戻るから~~ちょっとだけでも会いたいのーーお願いだからそこにいて!」

始発の新幹線に乗り、9時過ぎには到着していた。今から新神戸駅に向かって新幹線に飛び乗れば昼過ぎには東京に着けるかもしれない。


『………ここで待っててもいいけどね。おれも東京には15時にまでくらいしか居られない……』

今から東京に戻ると着くのは13時頃。

ああ………なんということでしょう!!

東京に居れば、少なくとも6時間は一緒にいられたのに!
それがばかな突撃訪問をしたためにほんの2時間くらいしか一緒に居られないなんて~~


『おまえさ。浜松で途中下車できる?』

「へ?」

『おまえが浜松まできて、そこで落ち合えば、懇親会の始まる17時ギリギリまで一緒に居られるけど』

「えーと、浜松って何処だっけ? 浜松町? モノレールの。あ、飛行機の方がいいのかな。羽田空港でモノレールに乗って……」

『ばか。浜松町じゃなくて、静岡県浜松市。新幹線の駅だから。東京と神戸の真ん中くらい』

「あ、そうなんだ。ついでに学会ってきいたから東京の浜松かと……」

『だから、そっちが‘ついで’じゃなくて……』

「へ?」

『いや、なんでもない。で、来るのか来ないのか。浜松まで』

「いくーーっ!! 絶対いくー! 浜松にいくよーー」

『おれも、今から浜松に向かうから。多分おれの方が早いかな。向こうで待ってるよ。昼メシくらいは一緒に食えるかな』

「うん、うん! 待ってて! あたし、新幹線の中でダッシュしてるよ」

『ばぁか。ちゃんと座ってろ。こだまじゃなくひかりに乗れよ。各駅だと時間かかるから。停車駅は確認しろよ。浜松止まらないこともあるからな。でも降りる駅間違うなよ。名古屋の次だからなーー』

てきぱきと指示を出す直樹の言葉に混乱しつつも分かったと云って電話を切ったあと、琴子はかをる子にお礼をいって返す。

「 ご、ごめんね。かをる子さん! 携帯の電話代って高いんだよね? 返すよ。いくらくらい?」

財布を出そうとした琴子を制して、「大丈夫よ。これくらい。誕生日の大サービスね」と、笑って答える。

入稿前の徹夜開けだったが、直樹の電話に起こされた。
琴子がそっちにいってないかという電話だった。
なんでも、東京に朝イチで来たのに家はもぬけの殻だったそうな。
まさかーーと不穏な予感が頭を過り、まず看護科の友人に電話をしたらしい。
そして、不穏な予感は的中した。
琴子は神戸に向かったのだと、ものすごーく気まずそうに教えてくれたのだという。どうやらたきつけた張本人だったようだ。
すぐに今度はかをる子に電話をして琴子がマンションに来ていないか訊ねた。
部屋に確認して居ないとなると、もう病院しかない。
事情を察したかをる子は、お節介とは思いつつ急いで琴子を捜しに病院にやってきたのだった。

「なんか、毎度毎度すみません」

恐縮しきりの琴子に、「ま、色々ネタに使わせてもらってるから気にしないでねー」(ボーイズラブに変換してるけどねっ)と内心頭を下げつつ、からっと笑って琴子をタクシーに押し込む。

「じゃ。ハッピーバースディ琴子さん。素敵な誕生日を過ごしてね! あ、プレゼント、あなたのダーリンに渡してあるから、受け取ってね!」

「ありがとう、かをる子さんっ」

「妙なトラブル巻き込まれないようにね! でも、起きたら教えてね~~ネタにするから!」



そして、神戸滞在わずか1時間足らずで。
琴子は再び新神戸駅に向かい、上りの新幹線に飛び乗ったのである。






※※※※※※※※※


誕生日のお話なのに、まだ出会えてなくてすみません(((^^;)


さて、誕生日記念の(?)三夜連続更新は今夜で終わりです。
明日、出会えるとこまで連続アップにするつもりでしたが、まだこの続きは書きかけで、そして明日は1日お出掛けで書く時間は全くとれそうもないので、ちょっと断念します。
三夜連続って、結局3話分が普段の1話くらいなんですけどね…………
じゃあ1話でもよかったんじゃ………いやいや、結構手直しする時間が取れて、良かったですよf(^^;

それでは、続きはいつアップになるかわかりませんが、お暇な時にでも覗いてみてくださいませ。





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Comment

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2017/09/30 | [] | Edit

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2017/09/30 | [] | Edit

やっと会えそうだね。琴子ちゃんお誕生日おめでとう入江君と仲良くね。v-29

2017/10/01 | 縺ェ縺翫■繧?s[URL] | Edit

Re.縺ェ縺翫■繧?s様

コメントありがとうございました♪

はい、なんとか会えそうですよー。しばしお待ちくださいませf(^_^;

2017/10/08 | ののの[URL] | Edit

Re.マロン様

コメントありがとうございました♪

会いにいったらいなかった、って相当ショックですよねー。琴子ちゃんすまぬ。でも試練は続くのだよ……f(^_^;
現代なら携帯で一発で連絡とれるのに、なかなかこの時代、色々不便です。でもいざというときのかをるこさん! もう神戸のオタスケウーマンですね……。ま、想像力刺激されるふたりですから、きっと色々変換してることでしょうf(^_^;

さあ、次は浜松ですよー(^-^)v

2017/10/08 | ののの[URL] | Edit

Re.ちびぞう様

コメントありがとうございました♪

そろそろちびぞう様も病院本読み終えた頃かしら。私も昨日読み終わり…そして気がついた衝撃の事実にちょっとあたふたしておりました(((^^;)(でもまあ予定外の更新ができたわけで……)

ふふ、さてさっさと浜松での二人を書かねばなのですが、まだ全然なのです〜〜ああ、早く会わせてあげたい……f(^_^;
まあ、一波乱二波乱はお約束ってことで(^_^)
ええ、私もあわてふためく直樹さんは大好物ですよー。
はーい、ゆっくり進めます♪またご訪問くださいね。

2017/10/08 | ののの[URL] | Edit

Re.heorakim様

拍手コメントありがとうございました♪

短くて大丈夫といってもらえて嬉しいです♪
浜松での時間、少しでも長く取れるといいのですが……何分作者がイジワルなもんで……f(^_^; でも! 誕生日なんで、幸せに締めたいと思ってますよーー!

2017/10/08 | ののの[URL] | Edit

        

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