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個別記事の管理2016-02-24 (Wed)




一話で終わらせるつもりだったのを分けたので、ちょっと短いですが……f(^^;





※※※※※※※※※※※※※※※




あの大雪のバレンタインデーから季節が2つ過ぎ、直樹の一人暮らしも半年が経とうとしていた。

琴子も念願のドニーズのバイトに収まり、トラブルを巻き起こしながらもなんとかクビにならずにすんでいる。
そして、直樹と同じように遅いシフトにいれて、ちゃっかりそのまま部屋に泊まりこむ図々しさも健在だ。
本来若い女子は深夜帯にシフトはいれないが、夏休みを前に留学するからと学生が何人か辞めて途端に夜の人手が足りなくなり、入江くんが送ってくれるから大丈夫だよ、と直樹の居るときだけ深夜帯に時折入るようになった。
もう終電がとうに過ぎた時間で、当たり前のように直樹の部屋に泊まっていく。
お陰で夏になってからの方が部屋に来る頻度が増えたようだ。ほぼ週一ペースで寄っている。

そして、相変わらず二人の間にはーー何もない。


ーー暑いから離れろ。

タオルケットを蹴り飛ばして直樹に張りついてくる琴子にそう云ったら、むくっと起き上がって勝手にエアコンの温度を少し下げた。
そして、すぐまた幸せそうに張り付いて爆睡。
無意識なのが恐ろしい。

「入江くんが暑がりじゃなくてよかった~~」

初めて熱帯夜を計測した夜、エアコンの温度を地球に優しい28度に設定していたのをみて、琴子が嬉しそうに云っていた。

「ほら、夏になるとおばさんとおじさん、エアコンの温度で喧嘩してるでしょ。あたしもどっちかっていうと冷えすぎは苦手だし」

体格のいい重樹はやはり暑がりの汗かきらしい。比べて紀子は寒がりの冷え性でエアコンの冷風も苦手だ。夫婦二人の寝室はリモコンの奪い合いで密かなバトルが繰り広げられているのだと聞いたことがあったのだ。

「それでも寝室を別けないのだから、ラブラブなのよねー。いいわよね、おじさんとおばさん。理想の夫婦だわ」


あの親しか知らないので理想といわれてもピンと来ないし、少なくともかなり規格外の親だと思う。(特に母親は)
琴子に全く言葉通り他意はないだろうが、ふと両親揃っている自分がひどく恵まれているのに、それを感謝することも出来ず蔑ろにしているような罪悪感を微かに感じ、結局それ以上何も云わずに琴子に背を向けて眠った。
とりあえずお互い体感温度にさして格差がないということはこの夏で学習した。
エアコンの設定温度で揉めることなく、快適に眠れる筈ーー
ーー琴子がうっすいTシャツやキャミソール一枚の部屋着で、直樹にぴたりと絡み付いてきさえしなければーー

理性と本能とのタイトルマッチは未だ熾烈な闘いを繰り広げていて、夏になってからは理性にとって、かなり不利な状況になっている。
しかし、母の思い通りになってたまるかという一念は、鉄の防壁を作って辛うじて踏みとどまっているのだ。
人間はどこまで性欲や情動に流されず自分を律する事ができるのかという研究論文が書けるかもしれない、と自嘲気味に思う日々である。





そろそろ夏休みも近くなり、キャンバス内がなんとなく浮き足だっている気配が感じられる頃だった。

ーー琴子に男が出来たという噂が流れたのは。

ひとつ年下の法学部の学生だという。
琴子が告白され、かなり積極的に迫られて、あの相原が了承したのだと、あっという間に噂は学内を席巻した。

どうせ、自分の気を引く作戦だろうと直樹にはあっさりと予想がついた。
またも母紀子が、少しも進展しない様子に業を煮やし、余計な入れ知恵をつけたかもしれない。

二人そろって直樹のバイト先に来てデートの相談をする辺り、かなりのわざとらしさだ。

だがそのせいか、その週、琴子は直樹の部屋にぱたりと来なかった。

それぞれに恋人が出来れば簡単に解消できる後腐れない関係ーー

ふと、『ソフレ』を検索した時に出てきた言葉を思い出した。
別に自分たちの関係が『ソフレ』などという意味不明なものだと思っていた訳ではない。端から見ればそうとられても仕方ないのかもしれないが、そんな簡単な言葉で説明は出来ない。

ーー入江くんに彼女が出来たらもう、来ないよーー

そう云っていた琴子。無論、逆もあるということだろう。

だが、勝手にずかずかと他人の領域に侵入し、勝手に来なくなる琴子に、妙な苛立ちを感じていたのもまた事実だった。




ある午後のことだ。4限目が休講になり、直樹が、松本裕子の妹、綾子に大学の図書館で勉強を見ていた時だった。
視線を感じて、窓の外を見ると琴子が少し切ないような表情でこっそりと覗いている。

なんだ。
やっぱり予想通りか。
内心妙な小気味良さを感じつつも隣の綾子に気付かれないようにしていた時ーー

一人だと思っていた琴子が、例の中川とかいう男と何やら深刻そうに会話をしていた。そして唐突に抱きすくめられ、無理矢理キスをされそうにーー


「直樹先生、実はエスパーかと思ったわ。さっきまで隣にいた筈なのに気がついたら窓の外にいるんですもの」

と、これは後々その中川武人と付き合うようになった時に語った松本綾子の弁。


直樹が外に駆けつけた時には、金之助と中川が殴り合いをしていて、横で琴子がただオロオロとしていた。

「 別にいくらおまえらが殴りあってもケンカしても血を流してもいいんだけどさ。でも、琴子の好きなのはオレなんだぜ」

本当、馬鹿らしい。

「ケンカするだけムダじゃない?」

内心の焦りを全く顔に出すことなく平然と云ってのける。

どうやら琴子の唇を死守したらしい金之助がこれ以上殴られるのを庇ったという意識は、本人には一切ない。

どうでもいいが、ほら、見てみろ。
琴子の嬉しそうな顔!

「おい、バイト行くんだろ? 行くぞ」

と一言に云うと、尻尾を振って飼い主の周りを纏わりつく仔犬のように、直樹の後を満面の笑みで付いてきた。
少し陽が傾きかけた街中を琴子と並んで歩き、連れていったのは自分の部屋。
実はバイトまでは少しまだ時間があった。

4限目がある予定の上でシフトを組んでいたので二人とも遅番だった。
まだ2時間くらいあるからそれまで部屋で時間を潰そうということだ。

いつもは夜に、緊急避難先のように、もしくはバイト帰りにそのまま部屋に泊まりに来ていたから、明るいうちから訪れたのは初めてだった。日差しが窓の高い位置から差し込み、ブラインドを通してベッドの上にゼブラの影を落としている光景が、琴子には少し新鮮だったようだ。
でも何だか妙にどぎまぎして、初めて雪の日に泊まったような緊張感が琴子から感じられた。

普通逆だろうが。

思わず直樹は心のなかで突っ込む。

ーーどうせ、『昼下がりの情事』とか思い浮かべてんだろう?

まるで直樹の言葉が届いたかのように、ぶんぶんと首を振り、そして唐突にはっと顔をあげて、
「あたしね、さっき頭の中をずっとあの曲がリフレインしていたの。『喧嘩をやめて~~二人を止めて~~私の為に争わないでぇ~~』♪」
と、歌いだす。

「なんか、ドラマみたいなシチュじゃない? あたしにだってそんなシーンを経験することがあるのよ。捨てたもんじゃないでしょ?」

「あほか」

直樹は冷めた眼で一言そう告げた。

「そんなうわっついたこと云ってるから好きでもないヤツからキスされそうになるんだ」

「………入江くんだって好きでもない子にキスできるでしょ?」

直樹の少し嫌味っぽい言い方に琴子がムッとして返す。

「……好きでもないのに無理矢理キスしたクセに」

謝恩会の日のことを思い出したらしい。

「……なんだ、じゃあ、あのままキスされても良かったんたな、あの中川って奴に。金之助は邪魔したもんだ」

分かっているクセに琴子の問いにきちんと答えを返さずひねくれた言葉を投げ付ける。

「そんなこと言ってないでしょ! あたし、金ちゃんには助けてもらってほっとしてるんだから! 入江くん以外となんて絶対に………」

そう食って掛かろうとした琴子の身体が突然ベッドに押し倒される。

「あいつとは、健全にデートとやらをしたんだろ? 男がみんな草食だの絶食だの思うなよ。世の中には物好きな男が金之助以外にもいたってのは驚きだが、あいつは全うに肉食……いや、雑食みたいだからな。キスの次は速攻ホテルに誘われてたんじゃないか?」

両手首を握りしめられ、直樹に上から押さえつけられる。

嘲笑うかのように頭上で囁く直樹に、ふと、高三の夏休み最後の夜を思い出したがーー。

「い、入江くんは、武人くんとは入江くんの気を引く為に付き合ってたって分かってたんでしょ? だったらあたしがそんなこと受け入れる訳……」

「そんな風に男を利用すると、痛い目合うぞ、っていってんだよ」

「わ、わ、分かってるわよ! 武人くんに申し訳ないからもう会うのやめようって……」

そう半泣きで叫ぶ琴子の胸が、薄いTシャツの上からぎゅっとつかまれた。

「えっえーー? ひゃああ」

思いもかけない事態に、慌てて琴子は身を捩る。

「む、む、胸………」

「あれ? これ胸だった? 肋骨の割りには柔らかいかなとは思ったんだけど」

「や、やだ………」

「やだって、何だよ。期待してんじゃないのかよ?」

笑っていた直樹の瞳がすぅっとすがめられる。ドキッとする。目は全然笑ってない。
思わず顔を背け視線を反らそうとした琴子の顎が突然、直樹の細い指に捕らわれた。

直樹の玲瓏とした美しい顔が、ゆっくりと近付いてくる。

キ……キス……! 2度目………!

思わず目を瞑る。
顔に身体中の血液が集まったように熱くなるのが分かった。
かかる吐息で唇の寸前まで来ていると思ったのにーーー

「……………………?」

いつまでも唇が触れることはなく。

「い……イタ……!」

代わりにちりっとした痛みが首筋に走った。

「な、何したのよーっ」

琴子ががばっと跳ね起きて、首に手をやる。

直樹はさっとベッドから離れクスクスと笑っていた。

何が何だか分からないがまたからかわれたらしい。

「あー赤くなってる~~!」

コンパクトを取り出して首もとを見ると薄く赤紫の痕がついていた。

「な、何? 噛んだの?」

「あほ。噛んだら歯形がつくだろう、普通。おまえキスマークも知らねーのか」

「ええっこれが噂のキスマーク!?」

再び鏡を当ててまじまじと見つめる。

「子供の頃不思議だったのよね。漫画でキスマークつけられてって……男の人、口紅付けてないのになんでキスマーク付くのかしらって」

「おまえ……マジ知らねぇの?」

「え、あ、そりゃ今は鬱血で出来るって知ってるよー。でも、実物見るのは初めて! ちょっとカンドー」

ぽっと顔を赤らめてから、ふと思い付いたように、

「そ、それに入江くんに初めて付けられた……所有の証……ってことよね!! えっやっぱり入江くん、あたしのこと好きなの!?」

「あほ! 何が所有だ! 男に対して余りに無防備だから、からかっただけだ。ほんっと、おまえ高三の夏から心身共に成長しねぇな。あの池に落ちた日におれに抱きついて誓ったクセして、胸はちっともCカップに育ってないし!」

「………そ、そう? これでも毎日牛乳飲んでバストアップ体操して頑張ってるのよ?」

そういって衿ぐりを引っ張って自分の胸を覗きこむ琴子に、直樹はぷいっと顔を背け、「ふざけ過ぎて喉渇いたな。アイスコーヒー入れてよ」と、まるで何事もなかったように素っ気なく云う。

「う、うん!」

どきどきどき。
まだ少し速い鼓動を叩く心臓を押さえながら琴子は立ち上がる。

…………なんだ……結局またからかわれただけかぁ……

な。なんか………思いっきり胸を揉まれた気がしたのだけど……(いや、鷲掴み?)
全然あたしじゃその気にならなかったってことだよね……

心の中で少しため息をつきながら………



その後は特に何事もなかったように、琴子の入れたアイスコーヒーを飲みながら、直樹はPCに向かい、メールのチェックを始めた。
まるで琴子が部屋にいることなど忘れてしまったかのように。

直樹が話し相手になってくれないのを察
すると、琴子もスマホを取りだす。
今どきの女子大生らしく友達や芸能人のブログをチェックしたり、そこから気になったショップやらサイトやらを検索したりすると、あっという間に時間が過ぎてしまう。
たまには勧められた乙女ゲームなぞをやってみたりするけれど、どうもリアルに隣にいる直樹以上に素敵な王子様に出会えたことはない。
先日理美に勧められたのが『ドSな上司と突然同居?ダメOLのシェアハウス』とかいう長ったらしいタイトルで、何だかありがちな設定だった。「なんか、このドS上司の性格入江くんに似てない?」とか云われたけれど、現実の直樹の方が全然カッコイイし、現実の方がずっとエキサイティングな日常で、仮想現実に特にのめり込むことはなかった。




「………夏休みかぁ」

文学部の知り合いが呟いていた彼氏との旅行計画に「いいね」を押して、ついちらりと直樹の方に視線を送る。
夏休みの話題が多くなるこの頃、何処か夏らしいトコに遊びに行きたいなーなどとつい思いを馳せ、直樹と何処かに出掛けるイメージを夢に描いて、あちこちネットサーフィンをしながら妄想を増大させてしまう。
旅行らしい旅行は冬休みの熱海旅行以来していない。真冬だったし、家族旅行だからイマイチときめき度合いは少なかった。今思えばあの頃直樹は将来のことを含め一人暮らしすることを真剣に考えていたのだろうなーと思い当たる。

元々客商売の家で、弾丸で秋田に墓参りに行く以外旅行など殆どしたことがなかった。

ーーカップルで旅行ってどんな感じなのかしら。

考えるだけでわくわくするけれど、デートすらまともにしたことがないので妄想の下地になるものが何もないことに気がついてしまう。

そういえば、あのハワイの旅行券は使う機会があるのかしら?
いつか入江くんとーーなんて、あるわけないか。

ハワイなんて贅沢いわない。
海や山や避暑地に花火に新しい水着に浴衣の新作モデル……
めくるめく、夏のときめきアバンチュール…………

ああ、近所のプールでも、神社の夏祭りでもいいから何処か行きたいなー入江くんと。

うん……でも、いいか。
一緒にこの部屋に居られるだけで。

ダメだなーついつい欲深なことを妄想してしまうわ。

あれこれ巡っていた琴子の妄想が現実的なところに戻ってきた途端に、

「琴子、おかわり」

その存在を忘れている訳ではないようで、当たり前のように琴子にグラスを差し出す。

「はーい」

琴子もいそいそとグラスを受け取ってキッチンに向かう。勝手知ったる様子で手際よくコーヒーを淹れる。料理は全く作らせてもらえないが、コーヒーグッズだけは琴子の自由にさせてくれる。

「いっとくけど」

よく冷えたアイスコーヒーを渡された直樹が、琴子に向かって唐突に言い渡した。

「おれ、夏休み、予定があるから。ドニーズのバイトも夏休みは入らないし、この部屋にも居ない」

「ええっ!!」

寝耳に水、である。

「おまえがあれこれめくるめく夏のトキメキプランを妄想しているようだから、一応伝えておくよ」

「え……? あたし、喋ってた?」

いつものこと過ぎて今更何も云わない。

「………入江くん、夏休み、どっかいっちゃうの?」

忽ち悲しそうな表情に一変した琴子が、直樹を上目遣いで見つめる。
打ち捨てられた子犬のような瞳が、一瞬でうるうると潤んでいる。

「………別なとこにバイト入れただけ。いっとくけど、バラさないからな」

「留学とかじゃないんだね? ほら、夏休みに短期留学する人多いから」

「短期なんて、意味ないから、行くならいつかちゃんと自分のやりたいことが決まって必要だと思えば行くさ。少なくとも今はその時じゃない」

「………そっか。まあ日本ならいいや。……1ヶ月以上会えないの、寂しくて死んじゃうかも、だけど」

「…………須藤さんが紹介してくれたバイトだけどね」

暗に須藤に訊けといっているようなものなのだが。

「須藤さん? ええーじゃあ今度訊いちゃおっ」

泣き出しそうだった顔がもうぱっと溢れんばかりの笑顔に変わる。

「………来るなよ」

直樹の釘を刺すような一言に、

「さあ……どうかなーー?」

ふっふっふっーと不敵に笑う琴子。
もうこの笑みだけで、探り出したらきっと追い掛けてくる気は満々だ。

それに気づいてるのかいないのか、直樹は再びPCに向かい始める。



ワンルームの1つの空間に、それぞれ自分の時間を過ごしながら、でもお互いの気配を常に感じてる。

なんか、いいなー。

入江家ではなかった時間だわ。

琴子は時折直樹を盗み見ながらその午後の昼下がりを楽しんでいた。

何も用事があるわけでもなくこの部屋に来て、こんな風にまったり過ごして何だか本当に彼女みたいじゃない?
まあちょっとしたドキドキも時にはあったりしてーー

ーーソフレでもなんでもいいや。

一線を越えそうで越えない関係というのは、始まらないかわりに終わりもない。
もしも直樹と恋人関係になったら、その日からいつ別れを告げられるかビクビクして過ごすような予感がする。

ーーこうして入江くんの近くに居ることを許されるのなら。



呑気にそんなことを考えている琴子に反して。

ーーバイトまでの時間、あと1時間くらいだが。

今ならーー紀子には此処にいることは知られていない、今ならーー。

先程琴子を押し倒した時に、身体の最奥で感じた昂るような熱が、未だ燻っている。
Cカップには程遠いが軽く触れた胸は、その柔らかさに奇妙な感動を覚えた。

胸は大きさじゃないんだよーー女たらしの理学部の先輩が、自慢げに己の持論を繰り広げていたのを思い出す。
信用ならない男だったが、今なら納得してしまうかもしれない。

思わずまだ感触の残っている手のひらをじっと見てしまう。

そしてーーもう1度触れたいとーー。

キスもーー。
辛うじて唇に触れるのを避けたが、あの状態で唇を塞いでしまったら確実にそれ以上の行為に発展しただろう。首筋に方向を無理矢理変えたが、吸い付いた肌は危険なくらいしっとりして甘かった。


全く、何がキスマーク初めて!ーーだ。

こいつ、雪の夜にあんなにドキドキ期待してたクセして、絶対現実に男がどんなことするか、わかってねーだろ。

1コマ目、キス。
2コマ目、上半身裸で抱き合って。
3コマ目、朝、女は男の腕に抱かれて、顔を赤らめて目が覚めるーー

琴子がうっとりと読んでいた少女漫画をちらりと覗き見たのを思い出す。
点描やら薔薇やらに埋め尽くされた幸せな情景。
おそらく琴子がイメージしているセックスはそんなもんだろう。
すっ飛ばされた2コマ目と3コマ目の間にどんな生々しい手順が踏まれるのか果たして分かっているのか。


いっそ、あのまま押し倒して、男が一体どんなものなのか、思い知らせてやればーー


いや、まて。
落ち着け、おれ。
此処でやったら多分、バイトで使いもんにならねーだろ、こいつ。
1度箍が外れたら抑えが全く効かなくなる予測はつく。

一応現実的なことを考えて、ストッパーをひとつ。

夜、遅番だから当然部屋に泊まってくよな……友達んちに泊まると連絡させて……
ラインで連絡させれば琴子の上擦った声を聞かせることもないから大丈夫だよな、うん。

いや、だから待てって。
おれは何の段取りを考えているんだ。
こいつをどうするつもりだっ?

今日バレなくても、明日こいつが帰って挙動不審ならすぐバレるぞ。おふくろの勘も動物並じゃねーか。

落ち着け、おれーー。

悶々とする直樹。

のほほんとしている琴子。

ゆっくりと夏の遅い夕暮れが、オレンジ色の光で室内を染めていく。


二人のソフレな関係は果たしていつまで続くのかーー?




とりあえず、夏休みーー清里で……何かが起きる………かもしれないーー







※※※※※※※※※※


続くのか続かないのかf(^_^)

ちょっと書いてみたかったのです。
修行僧のように野獣封印している直樹さんを!ちょっとしたザマーミロ企画(M様命名)でした(^_^;
この後、原作では清里エピ。キスをきっかけにキスフレになるとか。そしたらキスフレの後はセフレか?(それはそれでかなりな問題作)何にしろ「待て」をされてる期間が長い分、タガが外れたらケダモノ間違いないですね、この直樹さん……f(^^;

まだまだ今のところは自分の感情が何物か分かっていない無自覚野郎なので、関係が進んでも多分琴子ちゃんは不安なままでしょうね……(結婚したって常に妻を不安に陥れている馬鹿な夫なので^_^;)

帰着点が決まってないので続き(キスフレ編)を書くかわかりません……あしからず~~(^_^;)



とりあえず次は未完のものたちを片付けようと思ってますf(^_^)
何故かリクエストの多いキミゴゴを……と思っていたのだけれど、多分先に『夏休み』再開しようかと(諸事情により……)
キミゴゴ……教生シーズンの6月くらいまでには~~~(お待ちくださってる皆様、スミマセン~~)




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待ってます * by Happy 12
続き、書いてください!!!!

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No title * by めい
キスフレ!!刺激的でいいですね!!
もんもんとする直樹さんがまたいい。
琴子の天然で振り回してほしいな~。
ぜひぜひ続きよみたいです!!

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Re.ねーさん様 * by ののの
拍手コメントありがとうございます♪

爆笑ありがとうございます(^w^)悶々直樹さん、ちょっと書いてて楽しかったですよ。私も青い入江くん、謎過ぎて苦手だったんですけど、チャレンジしちゃいました(^-^)v
是非、ねーさん様も禁欲的な入江くんに挑戦してみてください♪………とはいえ、e様にあんなエプロン琴子ちゃん見せられたら……難しいですね。やはり野獣降臨……でしょうか?(^w^)いや、どちらも楽しみですけどね!

Re.Happy 12様 * by ののの
コメントありがとうございます♪

続き切望していただいて嬉しいです(^w^)
すぐに書けるかどうかはわかりませんが、絶賛妄想中です♪

Re.マロン様 * by ののの
コメントありがとうございました♪

私もこの話のリコメでちょいちょい不正投稿に……f(^^;セ〇レとかNGワードなのね……
そうですよね~~世間一般はソフレなんて概念はそうそう認知されてません。若い男女がお泊まりしてて何もないなんて、信じるのは紀子重雄理美じんこくらい? 重雄さんはほっとしているのか……娘の父としては複雑かも。
にしても、忍の一字の入江くんです(笑)
無自覚の上に妙な意地で手を出せない……ほんと頑張り屋さんですわー(爆)

武人くんエピの時も素知らぬふりしてあっという間に外に行ってるし……(と、突っ込んでしまいましたよ)で、ちゃっかり琴子強奪。この次には清里エピだから、既に直樹の中に琴子はしっかりと大切な存在と位置付けられてる筈なのに……でも無自覚!
無自覚なままお泊まりして添い寝することを許し、さらにはキスまでして恋人関係ではないと通せるのか……ちょっと実験的にそんな関係が継続出来るのか試してみたくなってます(笑)
そういって自分の気持ちを誤魔化し続けると、拷問のような悶々生活が続くだけなんですけどね(^w^)
すぐに、書けるかどうかはわかりませんが、(なんか書き始めると長くなりそうな予感が……)帰着点が見つかったら続き書くかもです♪

Re.emasque様 * by ののの
コメントありがとうございます♪

よ、読みたいですか~~? ema様にそう言っていただいてめっちゃ嬉しくて、ずっと妄想してましたが……なかなか例の本に収めるのは大変そうな気が……f(^^;要相談ですね~またメールします!

Re.紀子ママ様 * by ののの
コメントありがとうございます♪

続き待っててもらって、こちらこそ嬉しいです♪

ほんと、とてつもない無自覚野郎ですよね、この人は!
そして琴子ちゃんも超鈍感。最初はドキドキしてももう手を出されないと思ったらさっさと諦めて妙に安心感得てるしf(^^;
もしかしたら世間一般のソフレも、実は手を出したくても出せないと男の方は悶々としてるのかも?いや、理解不能でよくわかりませんが(^_^;直樹さんのように母親の思い通りになりたくないと手を出せない男はあまりいないでしょう(笑)
そう思うと紀子さん、罪だな~~(爆)

煩悩だらけの直樹さん。そんな直樹を琴子を大切にしてるといっていただいて……(感涙)
いや、この際しばらく大切にしていただきましょう(笑)そして悶々な日々は続くのです。頑張れ若ゾー。
こんな二人にゴロンゴロンしていただいてありがとうございます♪もっとゴロきゅんしてもらえるようなキスフレな二人を少し妄想してみますね(^_^)

Re.めい様 * by ののの
コメントありがとうございます♪

キスフレって刺激的ですよね~~とはいいつつ、実際に心情考えてみると、キスしても友達ってなんやろ~~????と悩みます。多分琴子ちゃんも悩むぞ。二人揃ってもんもんもんと悩む話になりそうです(笑)
なんだか続きリクエストの声が多いので、ちょっと妄想してます(^w^)気長にお待ちくださいませね。

Re.たまち様 * by ののの
コメントありがとうございます♪

ほんと、直樹って一見ドSだけど琴子に惹かれた時点で相当のドMだと思いますよ。試練も琴子の招くトラブルも甘んじて受ける!実は煩悩を少しも絶ちきれない修行僧ですしね(笑)ずっと精進料理(爆)……なんといっても1種類の肉しか食べられない偏食ですからねぇ(^_^;その肉を美味しくいただける日がくるまでは精進料理で我慢するしかないですよ~

無知の知じゃないですけど、無自覚を自覚しろよ、といいたくなりますよね。あの武人くんエピでソッコー外に行って二人の間から琴子かっさらってくんだから。

熟年夫婦(爆)ほんと、しっかり長いこと連れ添っているような馴染み方ですよね。直樹みたいにパーソナルスペースが半径三メートルくらいありそうな奴がこんな風に傍にいることを許して空気のような存在になってるって、スゴいことだと互いに気づいてない。空気はないと生きていけないのに(^w^)

そうそう、なんだかんだ琴子にヒント与えてます。来ないと心配するに決まってます。いつのまにか自分の世界の中心に琴子がいるって早く気づけよ、って思わずにいられませんよね(笑)

Re.ちびぞう様 * by ののの
拍手コメントありがとうございます♪

青い入江くん、喜んでいただいて良かったです。基本は、苦手であまり書けないのです。無自覚っぷりが意味不明過ぎて。天才の心理は謎ですf(^^;
とりあえず天然琴子に翻弄されて悶々と苦悩している入江くんは楽しいです(^w^)ザマーミロ企画なので!
ふふふ、直樹が夢で琴子ちゃんを××××………そりゃ何回もしてるでしょう(^w^)おひとり様も多分(^w^)健全な青少年の頭は煩悩でいっぱい……なまじ須藤先輩のAVで知識だけはしっかりあるもので。
現実に琴子を抱くまでの道程は遠いので(自業自得)琴子のいない夜は一人遊びに違いないでしょう(爆)

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Re.りん様 * by ののの
コメントありがとうございます♪

ツボっていただけましたか! 良かったです~~私も青い入江くん、読むのは好きなのですが、書くのは苦手であまり結婚前のお話って少ないのです。
何だかとっても皆様に続編期待されてて、これは書かねば、という気分にはなっているのですが、時間と帰着点決まり次第ですね。気長にお待ちいただけると嬉しいです(^_^;

Re.ちょこましゅまろ様 * by ののの
コメントありがとうございます♪

ちょこましゅまろ様も続編切望なのですね~~(^w^)嬉しいです。でも書けるかまだ自信はないですが、頑張りますf(^^;

原作でもしれっとした顔で一緒のベッドに寝てるけど、母の策略がなければ絶対手を出してるんじゃないかと思いますよ。
足蹴にされても結構悶々としてたんじゃないかと。

つい現代版に置き換えてみると『掲示板』じゃなくてSNSとかだよなーなんて余計なこと考えてしまいます。携帯は?スマホは?タブレットは?とか(笑)

私も悶々くんが書けれてちょっと満足です。キスまではするけど恋人ではないという関係まで進行できるのか、少し模索してから続きを書きたいと思ってますので、お待ちくださいませね。

NoTitle * by tomo
きゃー♡どきどきなお話ですね。。
キスフレ・・・セ○レ。
なんだかんだいいつつ、琴子ちゃん受け入れちゃいそうな感じが。
ぜひぜひ続編希望です!!

Re.tomo様 * by ののの
コメントありがとうございました♪

続編希望ありがとうございます(^^)vそうですよね、どんな状況でも結局は琴子ちゃん、入江くん受け入れちゃいますよね。キスフレだろうとセ〇レだろうと。
そんな危うい二人を書いてみたいと思いつつ、いつになるかはわかりませんが、気長にお待ちくださいませね♪

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