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個別記事の管理2019-04-20 (Sat)

ストックがあるのでなるべく早いうちに……といいつつストックをすべてボツにしてしまった^_^;アレレなワタシです。
なんか読み返してみたらしっくりこなかったのよ……
とりあえず、桜前線が北海道まで届くまでには……(目標です、あくまで)笑
もう一夜くらいは……f(^_^;



そして。二夜目はショートストーリィです。何気にお耽美えろを目指したけどあっさり挫折です……^_^;


※※※※※※※※※※※※※※



19950406~ゆらゆらと。






ボートの周りは吸い込まれそうなくらい真っ暗な水面。
その上に散った桜の花びらがゆらゆらと揺らめいている。


ーーまるでこの世界にあたしたち二人しか存在しないみたい……

うっとりと瞳を閉じて、琴子は直樹からのキスを受け止める。
公園の桜は見事なくらい満開。
まだ宴会まっさかりの騒然とした音は微かに耳に届くだけ。
ひんやりとした水面がすべて吸収していくようで。


ーー映画はイマイチだったし、ショッピングもなんだかなぁって感じに終わり。
せっかく初デートを思い起こせるようこの公園に来たのに、須藤さんの会社の宴会に巻き込まれるわ、そのうえ須藤さんが急性アルコール中毒で倒れるわーー(で、でもちゃんと看護婦っぽいことしたし!入江くん、褒めて?くれたし!)
ちょっと散々な感じだったけど、終わりよければすべてよし、よね?

少しも思い通りにいかなかった合格祝いデートだったけれど、「まだ帰りたくないんだろ?」とにやりと笑ったその顔はまるでイタズラっこのようで。


そして、営業時間の終わったボート乗り場に、まさかの不法侵入、不法乗船!

こっそりと真っ暗な池にボートを漕ぎだしてーー

ーーねぇ、帰りたくなかったのは入江くんも、だよね?

水面に映る三日月に桜がはらはらと落ちて、薄い桃色の絨毯がボートの周りに広がっていく。




キスがーー深くなる。
揺蕩(たゆた)うボートの上にふたりっきり。
いつまでもいつまでも接吻を交わす。

ふっと唇が離れたその一瞬をついて、濡れそぼった琴子の唇に桜の花びらがはりついた。
そして、花びらごと食らいつくように再び琴子の唇を蹂躙する。
琴子の唇に触れるものは花びらすら許さないーーとでもいうように。




「ん………」

とまらない。
はじめはうっとりとしていた琴子も、直樹の手がゆるゆると琴子の胸のあたりをさまよい始めたあたりから(んん?)と思い始める。

くしゃりと琴子の頭のお団子がほどかれて、長い髪がボートの上に広がった。
髪に指を絡めながら直樹は琴子の首筋にちりっとした痛みを与えた。



ーーまさか……
ーーまさか、此処で!?

ーーボートの上で?

ーー映画館じゃ全くスイッチ入んなかったクセに!!

琴子の心臓がばくばくしてきた。
いや、確かにロマンチックなシチュエーションではあるけれど。


ーーえーと、ここ、弁天さまがヤキモチ妬くとゆーあの都市伝説のある池だよっ
カップルでボート乗るだけで別れさせるというのに、こんな、こんなことしちゃっていいのっ!?

ーーあ、あん、だめっ
ーーえー、押し倒しちゃう? まじっ?

ーーボートが揺れっ揺れるぅぅ~~


ボートの上に背中を預け、直樹の肩越しから夜空が見えた。
三日月の仄かな灯りに時折ひらりと花びらが降り注ぐ。

ーーま、いっか。
ーー入江くんがあたしを求めるなら……あたし、全部受け止めるわ! 弁天様の嫉妬が何よ……入江くんはすごいんだからっっ弁天様だって赤面して裸足で逃げ出しちゃうんだから!

と、琴子がぎゅっと目を瞑り、直樹の背中に手を回し、覚悟を決めた、その時ーー


「…………さすがに此処じゃしねぇよ」


くすっと笑って琴子から離れた直樹に、「え? え? からかったのっ」と、真っ赤に頬を染めて抗議する。

「違う。理性が勝っただけ。桜の魔力に抗うには相当な自制心が必要だ……」

自嘲気味に笑い、乱れた琴子の髪を軽く指で梳いてやりながら、琴子の頬に触れるようなキス。

「桜の魔力なんて……なんかロマンチック」

「相当な魔力だよな。おまえが十倍増しで色っぽく見える」

「それは……ほめてるのかな……?」

「かもな。なんにしろ此処でヤったら、流石に池に落ちるか通報されるか……どっちもシャレになんねぇからな」

思わず琴子もひくひくとひきつり笑いを返してしまう。

「………ま、大人のデートはこれからが本番ってことで」

「え?」

「普通、大人のデートは遊んだあと、まっすぐ家に帰ったりしないだろうが」

「え………そうなの?」

「別々に住んでいたなら……たぶん」

きっと恋人同士というものはデートの最後の瞬間、離れたくなくて離れたくなくて……かたときも離れたくなくて。

「ーーというわけで、続きはボートを降りてからな」

直樹は、もう一度にやりと笑う。
琴子のデートの締めが井の頭公園であると知った時から直樹はその後の計画を密かに立てていた。
吉祥寺近辺のラブホやシティホテルは幾つか見繕ってあったのだ。琴子の好きそうなメルヘンなところとかお洒落なアーバンリゾート風なところ、などなど。
ずっと一緒に住んでいて、恋人期間のなかった二人だからこそ、行ったところのない場所ーー
きっと琴子の思考では思いもよらないデートの最終地点だ。それは普通の恋人同士ならおそらく当たり前な場所なのだろうけれど。

「……続きって……」

再び赤く頬を染める琴子が愛おしい。

髪に貼り付いた桜の花びらを指で摘まんで取ってやると、その花びらを記念に欲しいという。

「合格祝いデート記念だもん」


ゆらゆらと揺れるボートの上で、大事そうにその花びらを手帳に挟み、鞄に仕舞いーー。

さあ、めくるめくデートの夜はまだまだ長いーー。




ちなみに。

その後ボートを降りるときに琴子がカバンを池ポチャ、拾おうとして再び池に落ち、助けた直樹もびしょ濡れ、そして公園から一番近い昭和レトロで怪しげな旅館に泊まることになりーー結局直樹の密かな計画も全く思い通りにいかなかったのはーーお約束ってことで。




本日は、快晴なり。(前)
本日は、快晴なり。(後)

※※※※※※※※※※※※※

えーと、上記リンク記事をポチッとすると、前後編の後編のほうの付けた拍手お礼ページに、その後の怪しげな旅館(井の頭公園入口近くに実在します)えろのお話があります………笑
まあ、思い通りにはいかなくても、やることは(がっつり)やってるんで(4戦も!)^_^;直樹さんはさぞ満足だったことでしょう笑

久々にそのページ覗いたらびっくりするくらい拍手頂いていて! ありがとうございました(^^)


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* Category : とある1日のお話(西暦シリーズ)
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Re.マロン様 * by ののの
コメントありがとうございました♪

リコメ遅くなりまして申し訳ありませんでした。
そうそう、琴子の計画覗きみて、色々楽しんでたの直樹ですよね(^^)
満開の夜桜、ボートの上のkiss。ムード満点で、つい妄想が高まって(私がねっ)直樹さん押し倒してしまいましたが、ギリギリ自重です〜笑