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個別記事の管理2017-12-03 (Sun)

結婚記念日に続きアップします、といいつつ結局ずるずると日が空いてしまいました……うん、だって結婚記念日にはあまりに琴子ちゃん不憫で~~(自分で書いといてどの口がいう……^_^;)

更新空いたお詫びに、一話短いですが、1日おきにアップをしようかと思います。
(単なる小出し商法……^_^;)





あまり待ってる方もいないのかな、と思いつつも、(スミマセン、祭りが明けたらちょいとネガティブモード)まあ、いいさ。じみーに細々と続けてまいります……(((^^;)



では、待っててくださる奇特な方は、続きからどうぞ。時間は少々遡っております。









※※※※※※※※※※※※※※※※


11月12日 P.m.0:25




琴子はあれからずっと直樹の姿を探し回っていた。
耳から離れないあの言葉を振り払うように。
ナースたちのくだらない噂話。

………あんな娘が……ほんとに入江先生とつきあってるの?

初めはショックで茫然としてしまった琴子だが、そんな少し聞き齧っただけの噂話で直樹を疑うのはあまりに失礼だ。

そうそう、入江くん、別に巨乳好きじゃないし。Cカップくらいが最適サイズなのよ!………って、あたし、少しもCになってないし~~~
ああ、努力を怠ってる女って見られてる?
それともこの寂しい胸しか見てなかった反動でつい近くのFカップにくらくらと?

そ、そーなのかしら……

で、でも入江くん、「ごめんね、Cカップになれなくて」ってあたしが謝ると、「大きさより感度だ」ってあっさり趣旨変えしてたよね? あたし、感度なら自信が………ってちがーーう。


そんな会話をしていたベッドでの出来事も自然と連想され、つい直樹の優しく触れてきた指の感触を思いだし、そのまま顔を真っ赤にしてしゃがみこんでしまう。


そ、そうだよ。
入江くん、別にこのままでいいって。
そう云ってたじゃない。
自信を持つのよ、琴子!
それに、信じなきゃ。
あんたの旦那様はモテモテだけど、女の子に興味持ったことなんてないじゃない!
そんな噂に惑わされちゃダメよ。
入江くんのこと信じるのよーー!!!!


すっくと立ち上がり、「そんなの入江くんに直接確認すればいいことよ!」と再び歩き出す。

ようやく一人のスタッフから直樹が今、外来診察に入ってると聞いて、外来の待合室に行こうとエレベーターのボタンをを押そうとしたらーー

「あれー? 琴子さんやん?」

「くるみちゃん?」

声をかけてきたのは病児保育室で保育士をしていた枝元くるみだった。

「どないしたん? またボランティアしにきたんかいな?」

そういえば院内託児所のある「つぼみクラブ」は小児科病棟と同じフロアである。

「い、入江くんに会いに……」

「入江先生…?」

途端にくるみの表情がなんとも言えぬ困惑の色をなした。

「な、何……? 入江くん、どうかしたの……?」

どきっとして一歩後退る。
ま、まさか。
琴子の表情が微妙に強張った。

「ちょっとこっち来や」

くるみは琴子を託児ルームの給湯室に連れ込んだ。

「も、………もしかして、入江くんの噂のこと……?」

「なんや、もう聞いたんかい~~はやっ」

「くるみちゃんも知ってるんだねっ?」

思わずくるみの襟元を掴んでにじりよる。

「まあ、落ち着き」とぽんぽんと肩を叩く。

「嘘だよね? 入江くんが実習生と不倫なんて……」

「入江先生もあの城所って学生も否定しとったらしいんやけど」

「ほらーーっ」

「ほんまでもそんなん簡単に認めるわけないやろ?」

「う……」

「そもそも二人が抱き合うてたっちゅうのほんまのことらしいし」

「うそ……」

くるみの言葉はメガトン級の衝撃を琴子に与えた。

「二人っきりの医局で、ソファーの上で……」

「うそよ、そんなの」

「なんかナースがたまたま見てしもうて、部屋ん中、入るに入れへんかったって」

「そんなの……そんなわけ……」

シチュエーションを想像する。
どうしてそんな状況になった?
例えば、彼女がつまづいて倒れこんだのを受け止めたとか。
それくらいしか思い付かない。
でもーーそうそう、きっとそんな理由に違いない。そうに決まってる。

「入江先生は医局のソファでうたた寝してもうて、寝惚けて彼女の手を引っ張ってしまっただけやって弁明したらしいんやけど」

「え……? 入江くんが寝惚ける? ウソ……」

琴子は思わずその言葉に動揺してしまう。4年も妻をやって来て、同じベッドに眠っていても直樹が寝惚けるなんて、見たことなかったのである。

「なんや、ウソっぽい言い訳にしか聴こえへんやろ?」

「そ、そんなことないもん。いくらウソっぽくても、入江くんは絶対嘘なんてつかないよ。入江くんが云うならきっと、そうなんだよ!」

寝惚ける直樹なんて想像も出来ない。
琴子は段々不安に押し潰されそうになっていたが、自分に言い聞かせるように、くるみに言葉を投げた。
そう、直樹は嘘だけはつかない。
だから時々冷たくも感じるけれど、不実な人間ではないことを知っている。

「でもなー。その彼女、あんたと声がそっくりなんや」

「え、あ……うん」

それは………知ってる。

「声のせいなんか、胸のせいなんか知らへんけど、あの娘には最初っから特別感あったらしいんや」

「え……?」

「いやー胸はちゃうか? うちの病院一のスイカップナースの色仕掛けにも堕ちへんかったっちゅー話やし」

「……特別って……」

「基本、女には冷たいのに、あの娘には最初(はな)っからあたりが柔らかいって評判なんや……」

「……でも、そんなの。入江くん別に全部の女の子に冷たい訳じゃ」

「いや、冷たいって! めっちゃ冷たいって! もうとことん氷点下の男やって評判なんやってーー」

それは良いことなのか悪いことなのか、思わず琴子は苦笑してしまう。
自分以外の女の子に優しく接していてもツラいが人間相手の仕事でその評判はやはり不味いんじゃないかと。

「なんにせよ、火のないところには煙はたたへんしな」

「……で、でも。入江くんが、そうやってちゃんと否定してるのなら、あたし、入江くんの言葉を信じるもん!」

琴子はそうきっぱりと言って、つぼみルームを後にした。


そーだよ。
あたしは入江くんを信じるもん。
信じるもん
信じるもん
信じるもん
信じるもん……



呪文のようにぶつぶつと呟きながら再びエレベーターホールに向かう。
端から見たら随分面妖な顔つきだったのだろう。
訝しげに琴子をちらりと見て思わず避けていく人の姿に気が付かず、ぼうっとエレベーターの階数表示の点滅を眺めていた。
ボタンを押すことすら忘れてーー



「……何よ、入江先生、あの娘のこと、かばっちゃって……」

「やっぱ、出来てるゆうこっちゃ。みんながどんだけアプローチしても靡かへんかったのに、嫁と声が似てるっちゅうだけで落ちるなんてえらい簡単な男やったんや。もうがっかりやわ!」

ひどく憤慨してバタバタとかけていくナース二人の声に、琴子は思わずびくっとして振り返る。

そして、彼女たちが出てきた廊下の曲がり角の方に恐る恐る近づいていった。

ーー声が聴こえる………

入江くん……!
入江くんだわ。こんなところにーー

そして、もう一人の声。
この声はーー


「…………奥さましか知らない入江先生の腕の中の感触を思い出すだけで、ちょっとお得な気分でしたからーー」






ぐらぐらと……
足元が崩れ落ちていくような気がしたーーー。







※※※※※※※※※※※※※※※



続きは明後日の0時に更新します。





























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* Category : 1日で終わらない西暦シリーズ
* Comment : (9) * Trackback : (-) |

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Re.マロン様 * by ののの
コメントありがとうございました♪

ポジティブとネガティブがいったり来たりな琴子ちゃんなのです。
ふふ、そーなんです。いつも琴子はそんな現場に居合わせてしまう星のもとに生まれた子……(ご都合主義の言い訳^_^;)
相談に乗っていただいてありがとうございました。結局こうしちゃいましたが笑
短いけどマメに更新の方がいいのか、長文を週一更新の方がいいのか、今も模索中……(((^^;)



Re.ちびぞう様 * by ののの
コメントありがとうございます♪

久々のくるみちゃん。まあ、面白がってるだけなんでしょうけど。本当に浮気とは思ってないから言えちゃうんでしょうねぇ、ずけずけと。
でも琴子ですから、悩みますよねー^_^;
しかし、噂だらけって、この病院、大丈夫か!と思わず突っ込んでしまいそうです………(((^^;)



Re.heorakim様 * by ののの
拍手コメントありがとうございました♪

heorakimさまもガクブルしちゃいましたか^_^;
多分、琴子より入江くんの琴子不足の方がピークのように思われますが……でも、ごめん、イジワルな作者のお陰でまだしばらくお預けなのです(-_-)

Re.さあちゃん様 * by ののの
コメントありがとうございました♪

まあ、さあちゃん様もナースなのですね。多いなーイタキス業界、ナースの方々……^_^;やたら医療用語連発なブログですが、私は医療とは無縁な人なのでおかしなとこあってもゆるい瞳でおねがいします^_^;
スイカップナースの制服、ピッチピチだろうな〜〜笑(あ、私もまな板ですよー)


Re.紀子ママ様 * by ののの
コメントありがとうございます♪

お久しぶりです。いやーなんかコメントおねだりしたみたいで申し訳ないです(((^^;)
体調は大丈夫でしょうか。無理はしないでくださいませね。
ふふ、忖度しすぎですねー、琴子ちゃん。そして何もかもが裏目に出てどつぼにはまってく毎度のパターンですが……
そうそう、くるみちゃん面白がってるだけですが、フォロー要員のかをる子さんには撤退してもらってますので(話の都合上^_^;)真に受けてさらにどつぼに……

ええ。入江くんは今回も色々焦ってもらう予定なのです。そもそも、あんたが神戸に来たのが悪い(←結局そこに帰着)のだよ……