真夏のガーディアン(中)


“納涼祭り2016”






すみません……結局、前中後編に分けることになりました……f(^^;

そして、emaさんが本日アップしていた素敵な浴衣でむふふなカットを「くださーい」とお願いしまして、挿し絵にさせていただきました♪
だって、思いっきり浴衣シーン書いてたんだもの♪
emaさん最初鍵つきだったのに、鍵なくても大丈夫ですよねー???
と、鍵なしでf(^^;
えろ自体は前回と同じR15くらいな感じです。





※※※※※※※※※※※※※






「きゃーっ やだ、もう8時!」

はっと目覚めて枕元の携帯の時間を見て慌てて飛び起きた琴子は、すでに直樹も琴美も隣に居ないことに気がついてがっくりと肩を落とした。

もう! 起こしてくれたっていいのにーーっ!!!

というか、5時前に叩き起こされることを覚悟して4時半に目覚ましを掛けたつもりなのに、どうやら全く気がつかなかったらしい。

おじーちゃん、やっぱり起こしに来なかったんだ……

本当に、お客さん扱い?
慌てて着替えて、布団を畳みながらも、琴子はあと三日間どうすべきか少し悩む。

いくらそう云われても立場的に甘える訳にはいかないよね?

琴子が障子を開けると、濡れ縁の向こうの中庭で、直樹と琴美が鶏に餌をやっていた。

「あ、ママ、おはよー」

「おはよーみーちゃん。ママも起こしてくれたらよかったのに」

「起こしたよー。でも起きないんだもん」

「なあ、琴美?」

「ねぇ、パパ」

「あ、あ……そう」

思わず決まり悪げに頭を掻く。

「ばあちゃんが飯ができてるって。朝御飯だぞ、琴美」

「はーい」

結局、のそのそと遅い朝食をとったのは琴子たち3人だけで、祖父母はとっくに済ましたらしい。

「おじーちゃんは?」

「もう畑さ行ったとね」

「あ……そうですか。あたしも食べたらすぐいきます。ごめんなさい、ご飯の支度も手伝えなくて……」

「気にせんでよか。畑も行かんでよかね。琴子さんば琴美ちゃんと遊んどればよかばってん、あんまり遊ぶとこもなかけんね」

ころころと可愛らしく笑う祖母に、琴子はひきつりながらも微笑み返す。

やっぱり琴子にあれこれ手伝わせる気は全くないらしい。

「虫籠とかあったよな。カブトムシとかクワガタとか採りにいくか?」

「うん、いくいくっ」

琴美は女の子ながら虫の類いは全く平気で、どちらかといえば好きな方だ。
生物全般に興味があるようで、色んな虫を拾ってきては母と祖母を絶叫させていた。

「みーちゃん、昨日の夢、覚えてる?」

琴子はふっと思い付いて娘に訊ねる。

「夢? なあに?」

「覚えてないようだ」

直樹の補足に、琴子も少しほっとする。
いや、しかし。

「………みーちゃん、痣のあるおじいちゃん、まだいる?」

恐る恐る訊ねると、琴美は首を振って、「いないよー? 今日は朝から見てないの。何処に行っちゃったのかな?」
そう答えた。

……いないのか。

食べ終わって、とりあえず自分たちの食器だけはシンクに持っていき、さくさくと洗う。

「……琴子、食欲ないのか?」

「え?」

「残してたろ? 昨夜もあまり食べてなかったし」

「うーん、夏バテかなー。休み前、結構無理したシフト組んでたし」

育休1年だけ取って、普通に職場復帰した琴子は、夜勤もきちんとこなしている。
義母紀子がいてこそ、こんな風に通常に復職できたのだと、休みの日は全力で家事と育児をこなしている琴子をみて、紀子からはお休みの日はちゃんと身体を休めなきゃダメよ、と釘を刺される日々だ。

「………とりあえず今回は甘えて、ゆっくり休んだらどうだ? こんな時くらいしか休めないし、琴美ともしっかり遊べないだろ?」

直樹の提案に、なんとなくすっきりしないものの、「……そうだね」と、答える。

「あたしがちゃんと色々こなせる嫁になったって見せつけたかったのになー」

「………それはどうか………」

「……なんかいった?」

「いや。家事はともかく、育児に仕事にと、メチャメチャ頑張ってるたいした奥さんだって、おれが認めてるんだからいいんじゃない?」

「やーん、入江くんにそう云われるのが一番嬉しい」

『家事はともかく』が若干引っ掛かるものの、少しテンションアップして飛び付くように直樹に抱きついた。

「…………情熱的に抱きついてくれるのはいいが……みんな見てるぞ………」

「え?」

気がつけば、琴美をはじめとして、一色家の孫息子夫婦を覗きに来たご近所さんたちがずらーっと並び見守っていた。

「きゃーっ/////」

「いやー東京もんば人目さ気にせんで熱々とねー」


ーー賑やかな2日目の朝が始まった。


その日は、昼まで親子3人で林の中の虫を採りに行き、かなりな数のカブトムシやクワガタを採集した。多分家に帰る前に放してやるだろうが。
午後からは博子おばの末っ子ケンが「宿題を教えて欲しい」とやってきた。
10年前に来たときは赤ん坊だったケンももう小学校四年生で、年長の従兄である直樹のことは直接は覚えていない筈だが、年の離れた姉たちや従兄弟たちから『がばいすごか天才』だという評判は聞き及んでいたらしい。

結局午後からは宿題教室となり、琴美も琴子も一緒にノートを広げていたが、すぐに飽きて畳の上にころんと転がって二人して昼寝をしていた。

「このねーちゃんが噂のことこさん……」

ケンが座布団を枕にしてくーくーとよだれを垂らして寝ている琴子を眺めながら不思議そうな顔をしている。

「噂って?」

「ねーちゃんたちや、従兄弟のにーちゃんたちからずっと聞かされとったとね。直樹にーちゃんの嫁はご先祖さまの霊を自在に操る陰陽師のような人やけん、逆らうと過去の過ちを全部ばらされるから気ぃ付けんといかんとよーって………」

「………それは……ものすごい拡大解釈だな」

思わず呆れ返る直樹だった。

「ただ、ご先祖さんに気に入られて守られてるだけだよ。きっと」

「なんでやね? うちのねーちゃんたちはいっぺんもご先祖さんに会うたことなかっていっとったとよ。ことこさんは一色の血が入ってないのに不思議かねーって」

「血よりも相性だな」

「……?? ふーん」

ケンは一色の子供らしくそこそこ優秀で、教えればさくっと解けて宿題はあっという間に終わった。
その後目を覚ました琴美と遊びだし、夕方まで二人で広々とした庭を駆け回っていた。
年は離れているが、子供が少ないせいかどんな年代の子達ともすぐ仲良くなれるのだと、夕方迎えにきた博子おばが話していた。


夜になってから再びケンが姉たちとともに手持ち花火を沢山持ってやってきた。
長女のミキは20歳で、次女のユキは16歳。二人ともすっかり大人で、一色の女性らしく切れ長の瞳のクールビューティに育っている。
そして、バッチリ浴衣を着て『直樹にいちゃーん、久しぶりとね~~覚えとっと~~?』などとしなだれかかってくるので、従妹といえど侮れない。(なんといっても理加の例もあるのだ!)
とはいえ、直樹とてすでに一児の父だ。
そして、琴美は、琴子以上に牽制力を発揮して、父に近づく姉妹二人をがっつりガードしている。そして、流石に子供相手に無下にはできず、ミキユキ姉妹は、仕方なし色気を振り撒くのは諦めたようだ。

琴子も負けてなるものかと琴美とともに持ってきていた浴衣を着て、ようやく庭でプチ花火大会が始まった。

「なんか、夏って感じだね~~」

縁側で祖母が出してくれたスイカを食べながら、子供たちが花火に夢中になっている様子をにこやかに眺める琴子。
直樹は琴美が花火に火をつける時だけ傍に近付いて手伝う。
何だかんだミキユキ姉妹は面倒見よく、弟と琴美の世話をやいていた。

「浴衣を持ってきてよかった」

紺の地に薄桃色と白の撫子が散る浴衣は、昨年新調したのだが、殆ど着る機会はなかった。
琴美は白に金魚柄で愛らしい浴衣だ。

東京でも花火大会や夏祭りはあるのだが、やはりそういった日の休みは激戦で、誕生日や結婚記念日に融通してほしい琴子はつい遠慮してしまっている。
お陰で、今日が今年初の浴衣お目見えだ。


「お盆の頃にゃ盆祭りや神社のお祭りもあるとね。その頃きよったらよかばってん。みんな帰ってくると」

「おれたち二人とも仕事があるから無理だよ、ばあちゃん」

「しかたなかとね」

「このおもちゃの花火でも十分だよ。どうせ琴美、空に上がる花火、音が怖いっていうし」

「ママ、それ赤ちゃんの時の話だよ」

「え? そうだっけ?」

おんぶした背中で怖い怖いと泣いていたのはついこの間のような気がするのに。
確かに去年は花火大会に行っていない。

「でも、みーちゃんもこっちの方が楽しい」

色々な種類の手持ち花火から、ねずみ花火や金魚花火にへび玉。紐をつけてくるくる回転するヨーヨー花火に、UFOに。パラシュートやロケット花火も揃っていた。
箱や円筒型の据え置きタイプの打ち上げ花火を沢山並べて点火するのも中々壮観だった。
東京の家ではいくら庭が広くても、近所迷惑になるからこのような玩具の噴出花火や打ち上げ花火は絶対出来ない。

勢いよく噴射して、ぱんっと乾いた音をたてて小さいながらも可憐な花を夜空に咲かせる。
ケンたちが派手な打ち上げ花火をあげている片隅で、琴子は琴美と線香花火を点ける。

「……やっぱり花火は線香花火よね~~どっちが長くもつか競争よ、みーちゃん!!」

紀子ではないが、そんな母娘の情景は、絵に描いたいたよう夏そのもので、直樹も母に持たされたデジカメで思わずぱしゃりと一枚撮る。

「あら、入江くんが撮ってくれるなんて珍しい」

「おれだって、娘の成長記録くらい残したいと思うぞ」

そういいつつも、ついファインダーを琴子のうなじにあわせてしまいそうになるのだが。
浴衣の襟足からのぞく白いうなじとアップにした髪の後れ毛が妙に色っぽくて、そのまま抱き抱えて布団の上に落としたくなる衝動を感じる(昨日未遂に終わっただけに、余計に)。

みんなさっさと花火終えて帰れ。

無論直樹の心の声は誰にも聞こえず、大量の玩具花火は2時間かかって漸く全て終わった。

そして終わりの方では琴美はすっかり寝落ちてしまい、琴子は先に琴美を抱き抱えて寝室の方に戻った。

火の始末を終えて、ゴミを片付け、三姉弟を見送ってから、直樹も寝室に戻った。

「完全に寝た?」

「うん、浴衣を着たままなんだけど……帯を緩めてあげればそのままでいいわよね」

「いいんじゃないか? 昔は浴衣は寝間着だったわけだし」

ピンクの縮緬の兵児帯を少し緩めて、タオルケットを掛けてやる。

「あたしは脱がないとね。ちょっと帯が苦しいし」

琴子は着替えのパジャマを出してから、自分で着付けた帯をさっとほどいた。
じっと見ている直樹に気がついた琴子は、
「着替えるんだから、あっち向いててよ」と、顔を赤くして抗議する。夫婦に与えられている部屋はこの客間だけなので、ここで着替えるしかないのだ。

「何を、今更」

はらりと落ちた辛子色の帯の端を直樹が持って、くいっとひくと「やーん」と琴子が漫画のように一回転した。

「あ、本当に回るんだな」

面白そうに直樹がなおもひっぱろうとする前に、琴子が自分で帯を取ってしまう。

「もう、遊ばないでよー」

「遊んでないよ」

今度は琴子の手をくいっと引っ張って、自分の前に引き寄せる。

「せっかく可愛い浴衣なのに、さっさと脱ぐの勿体ないかな……」

「そう? 可愛いい? ーーああ……浴衣がね」

一瞬瞳を輝かせたが、すぐに直樹の言う言葉の意味に気がついて少し頬を膨らませる。

「なんだよ、自分で自虐的に解釈して。ちゃんと浴衣込みでまるごと中身も可愛いと思ってるよ、奥さん」

そういいながら、おだんごに纏めていた髪を止めていたピンを器用に抜いて、ゴムを外し、あっという間に琴子の髪ははらりと肩の上に落ちて、着崩れた浴衣を覆う。

「可愛いよ、琴子」

いやーーーーーんっ!!!

普段は聴けない甘すぎる超弩級の破壊力をもった台詞に、琴子はもう思考停止状態である。
あとはもう、なすがまま。されるがままだ。

直樹が浴衣の前をはだけるのをつい手伝って、自分でも襟さきを持って広げ、直樹がすっぽり浴衣の中に入り込むのを助けてしまっていた。

「……なんだ、下着つけてんの?」

「キャミだよ。浴衣の下って何着けていいのか……あ……ん、ダメ」

邪魔なキャミソールをぱっと一瞬でたくしあげ、露になった琴子の小振りな胸に顔を埋める。
琴子は襟先を持ったまま、直樹の背中をかき抱いた。





「……あ……ん」

浴衣の中に潜り込むように直樹は琴子の素肌の上をさまよい、胸を弄ぶ。
浴衣を身に付けたままで、直樹の手は琴子の背中を這い回っている。
そしてそのまま、布団の上に押し倒し、鎖骨やうなじに赤い刻印を刻み付けーー肌に絡み付く浴衣を取り去ろうとした瞬間ーー。



「パパーーっ !! ダメーーっ」

ガバッと琴美が跳ね起きた。

「………………………」


再び菊之助じいさんに起こされた琴美によって邪魔をされたのであった。

ーーなんなんだっいったい! おれに何の怨みがあるんだーーっ

悶々とする想いを抱えたままーー

九州二日目の夜は更けていったーー。







※※※※※※※※※※※※※


次こそ本当に終わりますよ~~(多分)

そして、emaさま!素敵なイラストありがとうございました(^w^)
いや、イラストの二人は大分若いのですが……
10年経っても若々しい二人ってことで(笑)


そうそう、そして無事入稿おめでとうごさいます!!
もう、自分の本のようにほっとしてますが、早くみたいような自分のページが怖いような……


今回、同じイラストでむじかくさまとコラボしてますので、お楽しみに♪
(むじかくさまのお話はemaさま宅にアップされる予定です)


※鍵は微妙かも……とコメントいただいて、すこーしえろ表現を婉曲に変えてみましたが(今回は限定にしたくなくて)……たいして変わらないかなー……f(^^;
加減がムズカシイ………orz

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管理人の、のののです。イタズラなキスにはまって、二次創作を始めました。

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