20020523 ~kissの効能


キスの日……に間に合わせたかったけど間に合わなかった、という残念な話です(._.)
というわけでぐーぐる先生参照のイリコトうんちく劇場をどうぞ(^_^;
………突発的に思い付いて書いたので短いです……f(^^;






※※※※※※※※※※※


「い、入江くーんっ ねぇねぇっ知ってた~~?」

琴子が一冊の雑誌を持って書斎に飛び込んできた。

「キスって……キスって凄い効果があるのよ!」

妙に興奮した様子で目をきらきらさせて、パソコンに向かっていた直樹に、バーンと見開きでその雑誌を開く。
それは女性雑誌のコラムページだった。
モデルの男女が逆光の中で美しいキスを交わしている。

「ここ、見て。キスの効能! 」

その1 アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎の患者が30分間キスをすると、ダニやスギ花粉に対する皮膚のアレルギー反応がキスをする前に比べて軽減


その2 『行ってらっしゃいのキス』をしてから家を出るカップルのほうが、そうでないカップルに比べて欠勤率が低く、交通事故に遭う確率も低い。さらに、収入が25%高く、寿命も平均5年長くなる


その3 細菌の共有をすることにより免疫力が高まると言われている。これは、本来自分が持っていない菌を身体に入れることで体の自己防衛機能が刺激されるから。ちなみに、10秒間のキスで8000万もの細菌を交換しているらしい

その4 小顔効果もある。キスは口先だけかと思いきや、顔面の34個もの筋肉を使うスキンシップ。顔痩せが期待できる

その5 キスをすると女性の体内では「エストロゲン」という物質が分泌される。別名、美容ホルモンとも呼ばれており、肌のツヤやハリが改善される。

その6 ダイエット効果もあり。フレンチ・キスだと1分間で26キロカロリーを燃焼する。1時間だと、1560キロカロリーとほぼハーフマラソン分21km相当。(アメリカの調査)



他にも、血圧抑制、コレストロール値低下、虫歯の予防、痛みの緩和、ストレスの抑制ーーキスの様々な効果がうたわれていた。


「………ふーん」

文章を読むのが速い直樹は一瞬のうちに目を通してしまったらしい。

「………で? 」

特に興味なさげに雑誌をぽいと琴子に返すと、表情も変えずに問いかける。

「………で?……っていわれると……。つまりはキスって凄いのね~~ってだけの話です……」

高かったテンションが、直樹の冷静な反応に瞬く間にクールダウンする。

「おまえは、さ。じゃあこれからキスをする度に、あ、これでアレルギー症状大丈夫ね、とか、これで寿命が延びたわ、とか、ああ、これで8000万の細菌が行き交って免疫効果ばっちりね、とか思いながらするわけか?」

「やだ、そんな別に……」

「ああ、一回キスして小顔ばっちり、とか? ダイエットできたわーとか?」

「もー入江くんのイジワル! どうせこんなの嘘っぱちとか思ってるんでしょ?」

「嘘とは思ってないよ。きちんと出典や研究者の名前も書かれてるし、それなりの効果やデータは間違いじゃないんだろうけどな。
実際キスするとオキシトシンやエンドロフィンが増えて様々な効果があるのは実証されてるし。
ーーでも、そのためにキスする訳じゃないだろうが」

「………はい。その通りです」

雑学ではあるけれど、なんとなく医学的効果について直樹が食いつくのでは、とちょっと期待した自分が馬鹿だった、と反省する琴子である。
あらゆる論文や研究発表を読み漁っている直樹のことだ。これくらいの知識はあったのだろう。

「……素直にキスしたいならしたいといえば?」

「え?」

「今日はキスの日だしね」

「………知ってたの?」

さすが、この天才には知らないことはないのだろうか。

「ついでにラブレターの日でもあり亀の日でもある」

「か、かめ?」

「まあ、関係ないか」

くすっと笑って琴子を膝に乗せる。

「ラブレターは関係あるかも」

二人の始まりはラブレターだったから。

「そーいえば最近キスしてなかったっけ?」

「そうだよ。ここのところ、夜勤と当直ですれ違いだったし、早く帰ったと思ったら論文作成で引きこもっちゃうし」

「おまえも、仕事と育児でたいがい早く寝ちゃうしな」

「……明日、あたし休みだから『いってらっしゃいのキス』してあげるね」

上目遣いで恥ずかしそうに直樹を見つめる琴子。

「寿命が延びて、年収アップするように?」

「だから、そうじゃなくてぇーー」

「………明日の朝までお預けなのかよ?」

「えーと………今、どうぞ」

ちゅっと啄むようなキスを交わしてから、やがて深いものに変わっていく。
甘い睦みあう音が、書斎の中で響き渡る。


「……琴美、寝た?」

「え、あ……うん。昼間病院の託児ルームに預けてたから、もうぐっすり……」

「……で、おまえ明日休みだっていってたよな?」

唇がひりひり痛くなるくらい沢山のキスを交わした後、直樹はそのまま琴子を抱えて寝室へ向かった。

「知ってるか? 女性の方が唇の皮膚が薄いし神経の数も多いから、キスひとつで男性より10倍敏感に感じて、オーガズムに達するって」

「し、知らない!」

さっきのキスだけで既に腰砕けな琴子は、女の方が唇が敏感というのは本当なのかも、と妙に実感してしまった。

「折角のキスの日だから、身体の隅々まで、余すところなくキスしてやるよ、奥さん」

にやりと笑う不敵な瞳。
ああ、確かにキスもしたかったし、久しぶりの甘い夜も嬉しいのだけれど。
何だか変なスイッチをいれてしまった気がして、一応ひとこと申し立ててみる。

「……明日の朝、ちゃんと行ってらっしゃいのキスをしてあげるからね?」

「ベッドの中からで構わないよ」

起きあがれないこと前提。

「い、入江くーんっ」







幸福ホルモンと呼ばれるエンドロフィンが血流に放出され、キスをする度に幸福度アップ。

そんな見出しの雑誌は書斎に放置されたまま。


効果や効能なんて関係ない。
ただそこに琴子がいるからキスするだけ。
琴子が笑っているから幸福なだけ。

それは実に簡単な法則なのだ。












 





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管理人の、のののです。イタズラなキスにはまって、二次創作を始めました。

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