アイシテ☆knight 1



ーーというわけで、連載始めます。

なお、前書きにも書きました通り、『IFもの』なので、原作とは異なった展開になります。

また、相も変わらずオリキャラがでしゃばります(((^^;)

苦手なかたはスルー願います。






※※※※※※※※※※※※※※※※








ーーどうしてこんなことになっちゃったんだろう……


琴子は小森家の一室で、天井の木目を見つめてため息をついた。

じんこのベッドの横に敷いてもらった客用の布団の中。さっきまであれこれ愚痴めいたことを聞いてもらっていたのに、唐突に寝落ちしてしまった親友の寝息を聴きながら、少し重い掛け布団を引っ張って布団の中に潜り込む。

兄弟の多いじんこは弟と部屋を共有していて、弟の淳平を追い出す羽目になってしまい、軽く嫌味を云われて少し肩身が狭い。
「気にすることないから、琴子が帰りたくなるまで居ていいからね」とはいってくれるものの、やはり大家族のこの家にはいつまでもお世話になるわけにはいかないだろう。

……… 明日から何処へ行こう…?

まだ、帰れない。
帰りたいけど、帰れない。
もしかしたら直樹が少しは反省して、あるいは寂しさに耐えかねて、迎えに来てくれるかもなどと甘い期待をしたのは家出二日目の話。
昼間、大学で見掛けた直樹の様子から、永遠にその日は来ない気がしてきた。

直樹はあの広いキングサイズのピンクとレースのベッドに一人で眠っているのだろうか?

いつも必ず隣にいる存在が消えても、ちゃんと眠れているのだろうか?

くすん………

考えれば考えるほど涙が出てきて、おろしたての枕カバーを濡らしてしまう。

全然心配してる風じゃなかったもんなぁ……

昼間ちらりと覗き見た直樹は、友人と楽しげに談笑していた。全く普段と変わらぬ様子だった。

こんな時いつも思い知らされるのだ。

ーー多分、あたしが好きの半分も入江くんはあたしのこと、思ってるわけではないのだと。

きっと好きでいてくれるとは思う。

ただそれはもしかしてあたしの好きとは全然次元の違うものなのかもしれない。

時々、ふっとそんなことを感じてたまらなく不安になる。

馬鹿ねぇ、あんた、結婚してんのに。しかも、あんな才色兼備のお嬢様を振ってまでよ? ちゃんと愛されてるってば。すっごく分かり辛いケドね………

ずっとそんなことをぐずぐすと愚痴っていたらじんこに慰められたり、呆れられたり。

でも幸せの絶頂に浸っていたすぐ後に奈落の底に突き落としてくれるような態度に、時々どうしていいのか分からなくなる。

先月、赤ちゃんが出来たかもって時も、『焦ったけど、オヤジの気分になれて良かった』ーーといってくれた。
子供作っちゃおっか、て優しく笑ってキスしてくれて……たくさんたくさん愛してくれて………
あんなに幸せだったのに。それはほんのちょこっと前のことなのに。
なんで、こんなことにーー

ぐすん

ーーああ、ダメよ琴子。
泣いてばかりじゃ。

全部入江くんの言う通りなんだもの。

そう。
入江くんが反省なんてするわけはない。
いや、いっくらなんでもあの言葉は冷たすぎ!ってそこは思い返してもムカついてくるけど………

あたしがホントに情けないくらいダメダメだったのよ。
それは認めるわ。


教育実習受けたのに、『おまえは向いてない』の直樹の一言にあっさり採用試験は受けなかった。
尤も全く勉強してなかったから、間違いなく受からないだろうけど。
そのうえ単位が足りてないので卒業と同時に貰える筈の教員免許も取得できない。

就活も、理美やじんこにつきあって企業説明会に一度や二度は足を運んだけれど、結局これといってやりたいと思われる企業はなかった。

それで、まあいいや、と何もしなかったのは事実。
きっと結婚していなければ理美のように100社だって回って必死に就活していただろう。

みんなから、「いいじゃん、専業主婦になれば」と云われ、殆どその気になっていたのも事実。
結婚を逃げ道にしていると云われれば間違いなくその通りで、返す言葉もない。

毎日お菓子を焼いて、パンを焼いて、時には一緒に習い事にいったり買い物したりお芝居観に行ったりーー

それは紀子が夢見るように語っていた、琴子との卒業後の生活。
嫁と姑のワクワクライフよ~~

そんな風に小躍りしている姑の言葉を曖昧に笑って同調していたのも事実。

何となくそれでいいの? あたし? とは思っていたけれど、直樹の為だけに完璧な主婦になる未来も捨てがたくて、選択肢の一つから外せなかった。


でもね、ほんとはね、ほんとはね、あたしーー

ずっと云いたかったこと、相談したかったことは封印したままだ。
言葉にする勇気がなかった。

「馬鹿か、おまえは」

直樹に冷たく一蹴されるのが、何よりも怖かった。

ほんとに、馬鹿だよ、あたし。
馬鹿すぎて情けなさ過ぎて、自分がキライになりそうだ。

本当に、こんなんじゃ、入江くんに愛想を尽かされる。
ううん、もう尽かされたかもしれない。

ーーおまえから、やる気や根性抜いたら何が残るっていうんだよ?

ーーそんなおまえなんか、なんの魅力もないね。


ああ、あの冷たい衝撃の一言、思いだしたらまた泣けてくるし腹もたってくる。
どれだけ傷つけられたか、心の中を開いて見せてあげたい。

でも、今は腹立たしさより不安の方が大きい。
3日たっても自分の居場所さえ探す気もないらしい直樹に、やっぱり、入江くん
はあたしのことそんなに好きじゃないのだとーー
啖呵を切って売り言葉に買い言葉で飛び出したものの、もしかしたらあっさりこのまま、魅力のない自分なんて直樹に見限られるかも、と考えると怖くなる。

あれこれ考えてぐるぐる廻って、怒りがこみ上げてきたり、情けない気分になったり、分かってもらえないことが悲しくて、想われていないかもしれない不安に怯えて、だんだん地の果てに堕ちていくような気分になる。

ああ、もうぐちゃぐちゃだよ………


でも……やっぱり、帰れない。
こんな、あたしじゃまだまだ帰るわけにはいかない。
このままじゃ、本当に入江くんに見捨てられてしまう。

入江くんに相応しい女になるまでは帰れない。

ちゃんと自分の道をしっかり定めて、やる気と根性でその道を突き進まなきゃ。

そう固く決意して、ようやく眠りについたのはもう深夜を大分過ぎた頃だったーー。





翌日、心配そうに見送ってくれる小森家一同に笑顔で「ここは涙をのんであたしがおれて帰ります」と嘘をついて、とぼとぼと荷物を持って歩き出す。

実際のところ、行く当てはない。

でも誰かに頼ってばかりじゃ、何の進歩もない。
考えてみれば、僅かなアルバイト経験があるだけで、きちんと一つの仕事と真剣に立ち向かったことすらなかった。
琴子がアルバイトする理由はいつも、直樹に起因する。

入江くんにプレゼントしたいから。
入江くんと一緒に働きたいから。

そんな理由だから、目的が達成されたり、直樹が居なくなれば用はなく、長期間働いたことなど一度もなかった。
その『仕事』自体に遣り甲斐や楽しさを求めたこともなかった。

友人の中ではもう何年も一つの場所でバイトして、それなりのポジションを貰い、必死に稼いでいる子たちは沢山いる。
卒業後の目標の為に資格をとったり留学したり。夢を持って突き進んでいる友人たちを格好いいと心から尊厳する。
親からの仕送りだけではやっていけないからと、講義以外は働きづめで、危うく留年しそうになったり、就活が出遅れて本末転倒となった同級生もいる。
自分は本当に恵まれていると思う。
結婚していても、学費は父重雄がきちんと払ってくれている。それが親の本分だから、せめて卒業するまではそれを奪わないでくれ、と直樹に頼んでくれたらしい。
それなのに、何の資格も得ることのないまま、安易に大学を辞めると言った自分が恥ずかしい。
生活費だってそう。
直樹が今は親に貸与してもらってる、と話していたが、実際二人の生活にかかる経費がどれくらいのものか気にしたことはあまりなかった。


琴子はいいよね。
旦那がいて、いずれは医者でしょ? 一生働かなくて左うちわで暮らせるよね。
そのうえ親が大会社の社長で。
そんなに順風満帆な人生なら、旦那に愛されてなくっても良しとしなくちゃね。


そんな妬みが入り交じった意地の悪いことを時折云われるようになったのは、やはり就活が本格的になってからだろう。
2年ほど前から就職氷河期という言葉が踊り始め、バブル崩壊のツケが一気にこの時代の若者たちに回ってきた。

「気にすることないわよ。みんな入江くんのファンだったんじゃない? 人のこと羨んだって自分の就職が決まるわけでもないのにね」

そういって理美やじんこが睨みをきかせてくれたけど、よくよく考えれば、自分がちゃんと就活もせずにのほほんとしていたのが、余計に気に障ったのだろうというのが、今ならよくわかる。

甘えてる。

そうみんなも思っていたのだろう。

現状に胡座をかいて、何も動かずに……



ーーそう、変わらなきゃ。
きちんと、働いて、とにかくしっかり自立して、自分の足できちんと歩けるように。

まずは働き口見つけて、住むとこ探して……
できれば住み込みがいいけど、今時そんなのあるのかしら。

それからお金を貯めて自分でちゃんと学費を稼いで。
自分の力で生活できるくらい。


「さーて、どうしようかなー」

まず、右へ行くべきか左へ行くべきか。

とにかく前へ進み出さねばと歩き始めてすぐに、琴子の横に一台の車が止まった。

「お嬢さん、一人? 可愛いねぇ。今、モデルの子を探してるんだけど、ちょっと話、聞いてみない?」










「げぇぇ~~っ 琴子、車に乗っちまったっ!!」


密かにチビと共に後を付けていた裕樹は、琴子がナンパとおぼしき車にいとも簡単に乗り込んだことに、激しく驚愕した。

一応色々責任を感じていたのだ。

義姉が落第したというのを聞いて、思いっきり笑い飛ばして馬鹿にしてしまったし。
いや、流石に兄の刺すように冷たい一言は、兄を敬愛してやまない裕樹すら一歩引かせるものがあった。散々小馬鹿にしていた義姉に思わず同情してしまうくらいには。

それゆえ、チビの散歩と称して、琴子の様子を窺いに小森家周辺まで遠征していたのだが。

家出3日目を過ぎてようやく帰る気になったと思いきやーー

琴子は自宅へ帰る様子もなく、街へ歩き出し、そしていとも簡単に、見知らぬ男の運転する車に乗り込んでしまった。


ーーふ、不倫?

いや、まさか、そんな馬鹿な。
兄一筋の琴子がナンパ野郎に簡単に引っ掛かって浮気なんて!

焦りながらも、とにかく追いかけねばと、チビと共に走り出す。

チビがたどり着いたのは乗り込んだ場所から程近い街中の喫茶店だった。

怪しい場所ではなくて一瞬ちょっとほっとしたが、着いてすぐ、まだ走った息が整わないうちに琴子は妙ににやけた顔の男と店から出てきた。
そして、再び車に乗り込むのをみて、また慌てる。

ーーな、何してんだ、あいつ!


どうみてもあのにやけ男、怪しいぞ!

中学生の自分ですらそれくらいの人を見る目はある。

それなのに、なんだ、あいつは!

勝手に連れ去られてヤクザにでも売られてろっ

あまりの無防備さに呆れ返り、思わず見捨てようとした裕樹だが、その瞬間、チビが走り出していた。

「あ、待てよ、チビ!」





10分後ーー

「チビ ………どうした?」

交差点の赤信号で止められた後、チビは困ったように尻尾をふってうろうろしていた。
必死で鼻をくんくんさせて、右か左か迷っているようだ。

「チビ………もしかして……わかんなくなっちゃった?」

荒い息をはぁはぁさせながら、裕樹は、目の前が真っ暗になるような気がした。

いくらかチビが名犬だって、車を追いかけるのは無理がある。琴子の臭いはまず拾えない。
排ガスの臭いでなんとか車を識別していたようだが、交通量の多いバイパスの分岐点でとうとう分からなくなったようだった。


「ど、どうしよう……………」

とにかく、とにかくーー兄に連絡しなければ。

裕樹は、公衆電話を探した。







「あ、あたし、やっぱり、このお仕事向いてないみたいだから帰ります!」

琴子はスタジオと称する部屋に連れてこられていた。その部屋の中央にどどんと鎮座しているキングサイズのベッドは、妙に扇情的な紫色のカバーがつけられていて、(自宅のベッドに雰囲気は似ているものの)使用目的はいかにも、といった態である。

琴子は一瞬で騙されたと悟り青ざめた。

にやけスカウトマンと、カメラマンと称するスキンヘッドにサングラスに右耳ピアスのうろんなオッサンは、出ていこうとした琴子の前に立ちふさがり、

「何いってんの、今さらーーさぁさぁ我儘云わないで。あんただって金が欲しいんだろ?」

下卑た笑みを浮かべて、スキンヘッドが琴子の腕をつかんで、ベッドに押し倒す。

「だ、誰かーーっ」

「叫んだって、誰も来やしねーよ」

スカウトマンがにやにやと笑って背広を脱ぎ捨てた。

「あ、おれ、スカウト兼男優ね。ここの一番熟練だから安心して。女優のイク時のいい顔引き出すナンバーワンって言われてるから。
でもって、一応本番専門で、ボカシナシね」

「そうそう、なんといってもこれはアートだからね。へんなモザイクはいれちゃいかんのだよ」

「やだ、離してっ 入江くーんっ」

首を振って逃れようとする琴子の手首をにやけ男は押さえつけ、ベッドの上に張り付ける。

「うーん、どうみてもこのビジュアル、人妻じゃねぇよなぁ」

スキンヘッドは琴子のツインテールのリボンをしゅっと外した。

「髪を下ろしてもやっぱ高校生にしか見えねぇ……」

「お、そういや、セーラー服あったよな」

「よし、やっぱ女子高生もので行くか」

「や、やだぁ~~!!」

「やだって云われてもどのアングルからも人妻には見えないもんなぁ」

「『家出女子高生のイケナイ旅行記』うーん、いいねぇ」

「セーラー服コレクションはあっちの部屋だったよな……」

スキンヘッドが隣の部屋に向かった。

琴子はスカウトマンに手首を強く押さえつけられ、ベッドの上で身動きがとれない。
じたばたするが、にやけた顔の男はやさ男のようで意外に力が強くてびくともしない。

琴子はリアルな恐怖をひしひしと感じ始めていた。

入江くんっ!!!

助けて助けて助けて、と何回も心の中で念じても、ドラマみたいに颯爽とヒロインを助ける為にヒーローが駆けつけて危機を回避してくれる…… なんて、そうそうあるわけはない。

改めて自分の愚かさを身に染みて感じる。


どんっーーと、隣の部屋から大きな物音がして、琴子はびくっと身を震わせた。

「ちょっとぉ! いい加減にしてよっ 早く出してよ、こっから~~」

扉の向こうから女の怒鳴り声が聴こえた。

「うるせぇ、このアマ、大人しく待ってろ! あんたの相手はうちのボスがするから、手ぇつけるなって言われてんだよ」

そうスキンヘッドも怒鳴り返し、こちらの部屋に戻ってきた。
芸術家気取りのオカマっぽい男かと思ったら、その口調はどう聴いてもヤクザである。

………どうしよう……あたし……本当にこのままこいつらに……

「今朝、銀座で拾った酔っぱらい女ですか?」

「そうそう。あきらかにどっかの店のねぇちゃんだがな。顔がめっちゃボス好みのお嬢様系美女だから拾ってやったんだ。案の定、一目見てお気に入りだ」

「お水やるより、ボスの愛人の方が金になる。女にとっちゃ儲けもんだろ」

どうやら向こうの部屋にも自分と同じように拉致されてる女性がいるらしい。
つまりはーー想像よりかなりヤバイ筋の男たちなのかもしれない。

琴子はその扉の向こうをじっと見つめるが、しばらくどたばた物音が聴こえた後、
もう怒鳴り声は聴こえなくなった。


「さあ、その服を脱いでこっちに着替えてもらおうか」

スキンヘッドが持ってきたのは、都内の女子高のセーラー服だった。
紺の襟に白の2本ライン。リボンはワインカラーで可愛いと評判の制服だ。

「あと、こっちもな」

ぴらっと摘まむように見せたのは、ピンク色で黒のレースがたっぷり付いた透け透けなブラジャーとショーツのセットである。かなりなセクシー系のものだ。

「セーラー服の下がこんな色っぺえ下着って絶対萌えるよな」

「いやよ、そんなのっ」

「選ぶ権利がおまえにあると………いや、待て。おまえ、胸のサイズは幾つだ?」

「そんなのどーでもいいでしょっ」

「アニキ、これどう見てもAあるかないか……」

ニヤケ男が琴子の胸をガン見する。

「ち。このブラ、Cカップだ。使えねぇじゃないか」

「いや、これは逆にお子様用のソフトブラとかブラつきキャミソールとか着せて、中学生ちっくに……」

「そうだな。この顔なら中学生でも行けそうだ」

「当初の予定通りロリ向けの……」

「家出中学生の危ない旅行記。15歳の処女喪失紀行……うーんいいかも。相手は大学教授とか」

「あたしは22よっ人妻よっ 15歳なんていっくらなんでも」

無理があるでしょっーーと、鼻息を荒くして憤る。

「大丈夫、大丈夫。全然見えるから。ってか、100パー人妻に見えない」

「 そうそう、人妻の持つ色香ってのが欠片もない」

スキンヘッドが琴子の身体を舐めるように見たあとふっと残念そうにため息をつく。

「まあ、失礼ねっ これでも毎晩入江くんに熱烈に愛されて……」

と、言いかけて、絶賛家出中でここ最近はすっかりご無沙汰だったのを思い出す。

「そんな見栄張らなくても……」

「人妻ってのも妄想だったりして……」

「確かに経験値高いとは思えない」

「とりあえず、うぶな感じの方が、らしくていいだろう。さ、じゃあ下着はこっちのスクールブラで」

真っ白な中学生向けの肌着を琴子の目の前に突きつける。

「い、いやよっ」

「自分で脱がなきゃ脱がせるまでだ」

スカウトマンが、琴子のセーターの裾に手をかけた。

「や、やだ~~離してっ」

さらにじたばたと身を捩るが、男の手は簡単にセーターをたくしあげようとーー


いやぁぁぁっ
入江くん入江くん入江くんっ
助けてぇ!!!



その時。

ばたんっ!!と玄関の扉を蹴破るような大きな音が響き渡ったーー。






※※※※※※※※※※※※※



琴子危機一髪!



……ところで、どうでもいいことなんですが、じんこの弟淳平くんは琴子に部屋を取られたとブツブツ言ってるけど、琴子はじんこのベッドの隣で寝てるっぽい。まあ普通は友人ちに泊まらせてもらえば友人の部屋で寝るよね……てことはじんこは弟と同室だったのか? じゃあ末っ子のひろこが一人部屋? で、淳平がその部屋に移されて????等々と、小森三兄妹の部屋割りの謎に頭を悩ませていました………f(^^;





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『落第家出事件』鉄槌友の会会員の皆様へ



えーと、潜在会員の皆様がどれくらいいるのかわかりませんがf(^^;
とりあえず私が認識してるゴールド会員のnママ様とm様がむじかく様宅に残されたあの『家出事件』の直樹さんへの怒りの熱いコメを受けまして、ちょっと家出事件ネタで私もお話を書くことにしましたf(^^;


すでにむじかく様宅の『直樹の狼狽』から始まって『まんぷく亭』で一件落着の、むじかく様流の家出事件の直樹サイドの隙間ストーリィを、堪能された方も多いと思います。

実はブログでアップされる前に、メールでお話を読ませてもらってまして。
変な終わり方してるので苦情殺到しそう、と心配されてましたので、原作通りなんだから全然大丈夫!!直樹の慌てっぷりが面白いので、是非アップしましょう!とオススメしたのは私です。(まあ、基本私いろんな意味でハードル低いので大抵のものは大丈夫、アップしちゃいましょう!と太鼓判押しちゃうんですけどね。いえ、全部ではないですが笑)
苦情殺到どころかこの時期の直樹バカヤローなコメント殺到でございましたね(^w^)
というわけで届いたのがむじかく様からの『のののさん、出番ですよ』メール。

むじかく様からお話読ませてもらった時、実は私も家出事件でIFネタあるんですーって話してたもので。
むじかく様宅はあくまで原作の中の突っ込みどころを楽しく追究していくお話なので、鉄槌はお任せしますという意味です。

ネタとしてはかなり前からあります。実はカノユメ書いた後も書きたいと呟いております。
でも他にも書きたいのが色々あってつい放置していました。
でも今回、むじかく様の一連の家出事件話を読んでまた書きたくなってしまいました。

でも、他にも連載が終わってないし~~未完を増やすのはいや~~とちょっと悩んでいたら、やっぱり、むじかく様から、『乗ってる時に書く方がよいですよ、置いておくと変わっちゃうかもしれないし』とアドバイスいただきまして。

というわけで。
『落第家出事件』鉄槌友の会の皆様……

書き始めちゃったよ………f(^^;



ただ、本来の意味での鉄槌になるのかどうかわかりませんが。
このエピの最大の問題である、直樹の暴言。これに関しては、『My Do根性 Girl』で5年後に直樹さんはしっぺ返しのような鉄槌受けることになってますので、案外私の中では片がついているのです。

ので、今回は、あくまでIFということで。

『もし、裕樹とチビが琴子を見失ってしまっていたら』ーーというIFです。

いや、これに関しても友の会の皆様、文句はあると思うのですよ。
何故、直樹さんは弟と犬に任せて動かない! 一番格好いいのは裕樹とチビじゃないかぁぁ~~~っ
ったくなにやってんだ、この旦那はっ

ーーと、きっと多くの皆様が思ったに違いない笑


ふつーいくら優秀な犬だって、そうそう車を追っかけるのは難しいでしょ?
裕樹くんも走って追っかけるの、無茶だってば。よく寸前で飛び込めたなー。これ、イタキスがコメディだから助かったんですよ~~!!

確かに琴子ちゃんは無防備過ぎて隙だらけですが。とはいえ、あまりに旦那さん放置しすぎです。もし裕樹くんたちに助けられてなかったら………… ぞーっとしますよね。

というわけで直樹さんにもちょっと慌ててもらいましょう!!

というノリで始めます。
あ、ネタバレになりますが……琴子ちゃんが不幸になることはありませんので、安心して読んでいただいてもいいかと……
(なので逆に鉄槌加減が物足りないのではという気がしてます。琴子ちゃんが辛い目に遭わないと直樹さんがこたえない、ってのもなんですが……)

とりあえず明日の夜に1話目アップいたします。漠然と中編くらいの連載になるのでは、と。
タイトルは『アイシテ☆knight』です笑
(不幸になりそうにないタイトルでしょ?)



『キミゴゴ』をお待ちの皆様、そして『夏休み』の再開をお待ちの皆様には大変申し訳ありません。同時進行になるか、又々しばらく中断してしまうか、成り行き任せではありますが。

書きたいものを書けるペースで書いていきたいと思います。
よろしくお願いします♪


あ、むじかく様、今夜から復活だそうですよ♪ ストック少し出来たそうです。
いっつも1日くらい休んじゃえ、休んじゃえ~~と悪魔の囁きをしてきた私も、実は本当に休む日が来るとは半分くらいは思ってませんでしたが、やっぱり、人間リフレッシュは必要ですものね♪
なんだかんだ色々書いていたようで(ふふふっ)

お互いこれからも無理なきようブログを続けていけれたらと思ってます(^^)v




ののの






20020523 ~kissの効能


キスの日……に間に合わせたかったけど間に合わなかった、という残念な話です(._.)
というわけでぐーぐる先生参照のイリコトうんちく劇場をどうぞ(^_^;
………突発的に思い付いて書いたので短いです……f(^^;






※※※※※※※※※※※


「い、入江くーんっ ねぇねぇっ知ってた~~?」

琴子が一冊の雑誌を持って書斎に飛び込んできた。

「キスって……キスって凄い効果があるのよ!」

妙に興奮した様子で目をきらきらさせて、パソコンに向かっていた直樹に、バーンと見開きでその雑誌を開く。
それは女性雑誌のコラムページだった。
モデルの男女が逆光の中で美しいキスを交わしている。

「ここ、見て。キスの効能! 」

その1 アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎の患者が30分間キスをすると、ダニやスギ花粉に対する皮膚のアレルギー反応がキスをする前に比べて軽減


その2 『行ってらっしゃいのキス』をしてから家を出るカップルのほうが、そうでないカップルに比べて欠勤率が低く、交通事故に遭う確率も低い。さらに、収入が25%高く、寿命も平均5年長くなる


その3 細菌の共有をすることにより免疫力が高まると言われている。これは、本来自分が持っていない菌を身体に入れることで体の自己防衛機能が刺激されるから。ちなみに、10秒間のキスで8000万もの細菌を交換しているらしい

その4 小顔効果もある。キスは口先だけかと思いきや、顔面の34個もの筋肉を使うスキンシップ。顔痩せが期待できる

その5 キスをすると女性の体内では「エストロゲン」という物質が分泌される。別名、美容ホルモンとも呼ばれており、肌のツヤやハリが改善される。

その6 ダイエット効果もあり。フレンチ・キスだと1分間で26キロカロリーを燃焼する。1時間だと、1560キロカロリーとほぼハーフマラソン分21km相当。(アメリカの調査)



他にも、血圧抑制、コレストロール値低下、虫歯の予防、痛みの緩和、ストレスの抑制ーーキスの様々な効果がうたわれていた。


「………ふーん」

文章を読むのが速い直樹は一瞬のうちに目を通してしまったらしい。

「………で? 」

特に興味なさげに雑誌をぽいと琴子に返すと、表情も変えずに問いかける。

「………で?……っていわれると……。つまりはキスって凄いのね~~ってだけの話です……」

高かったテンションが、直樹の冷静な反応に瞬く間にクールダウンする。

「おまえは、さ。じゃあこれからキスをする度に、あ、これでアレルギー症状大丈夫ね、とか、これで寿命が延びたわ、とか、ああ、これで8000万の細菌が行き交って免疫効果ばっちりね、とか思いながらするわけか?」

「やだ、そんな別に……」

「ああ、一回キスして小顔ばっちり、とか? ダイエットできたわーとか?」

「もー入江くんのイジワル! どうせこんなの嘘っぱちとか思ってるんでしょ?」

「嘘とは思ってないよ。きちんと出典や研究者の名前も書かれてるし、それなりの効果やデータは間違いじゃないんだろうけどな。
実際キスするとオキシトシンやエンドロフィンが増えて様々な効果があるのは実証されてるし。
ーーでも、そのためにキスする訳じゃないだろうが」

「………はい。その通りです」

雑学ではあるけれど、なんとなく医学的効果について直樹が食いつくのでは、とちょっと期待した自分が馬鹿だった、と反省する琴子である。
あらゆる論文や研究発表を読み漁っている直樹のことだ。これくらいの知識はあったのだろう。

「……素直にキスしたいならしたいといえば?」

「え?」

「今日はキスの日だしね」

「………知ってたの?」

さすが、この天才には知らないことはないのだろうか。

「ついでにラブレターの日でもあり亀の日でもある」

「か、かめ?」

「まあ、関係ないか」

くすっと笑って琴子を膝に乗せる。

「ラブレターは関係あるかも」

二人の始まりはラブレターだったから。

「そーいえば最近キスしてなかったっけ?」

「そうだよ。ここのところ、夜勤と当直ですれ違いだったし、早く帰ったと思ったら論文作成で引きこもっちゃうし」

「おまえも、仕事と育児でたいがい早く寝ちゃうしな」

「……明日、あたし休みだから『いってらっしゃいのキス』してあげるね」

上目遣いで恥ずかしそうに直樹を見つめる琴子。

「寿命が延びて、年収アップするように?」

「だから、そうじゃなくてぇーー」

「………明日の朝までお預けなのかよ?」

「えーと………今、どうぞ」

ちゅっと啄むようなキスを交わしてから、やがて深いものに変わっていく。
甘い睦みあう音が、書斎の中で響き渡る。


「……琴美、寝た?」

「え、あ……うん。昼間病院の託児ルームに預けてたから、もうぐっすり……」

「……で、おまえ明日休みだっていってたよな?」

唇がひりひり痛くなるくらい沢山のキスを交わした後、直樹はそのまま琴子を抱えて寝室へ向かった。

「知ってるか? 女性の方が唇の皮膚が薄いし神経の数も多いから、キスひとつで男性より10倍敏感に感じて、オーガズムに達するって」

「し、知らない!」

さっきのキスだけで既に腰砕けな琴子は、女の方が唇が敏感というのは本当なのかも、と妙に実感してしまった。

「折角のキスの日だから、身体の隅々まで、余すところなくキスしてやるよ、奥さん」

にやりと笑う不敵な瞳。
ああ、確かにキスもしたかったし、久しぶりの甘い夜も嬉しいのだけれど。
何だか変なスイッチをいれてしまった気がして、一応ひとこと申し立ててみる。

「……明日の朝、ちゃんと行ってらっしゃいのキスをしてあげるからね?」

「ベッドの中からで構わないよ」

起きあがれないこと前提。

「い、入江くーんっ」







幸福ホルモンと呼ばれるエンドロフィンが血流に放出され、キスをする度に幸福度アップ。

そんな見出しの雑誌は書斎に放置されたまま。


効果や効能なんて関係ない。
ただそこに琴子がいるからキスするだけ。
琴子が笑っているから幸福なだけ。

それは実に簡単な法則なのだ。












 





君のいる、午后の教室 12


11.5(音楽室えろ)限定にてアップしております。
未読のかたはそちらから(あ、大人の方のみねっ)どうぞ。




※※※※※※※※※※※



6 実習四日目




「随分しっかりした授業が出来るようになったわね」

2限目のA組の現国の授業を終えた後、指導教諭の清水から、珍しくダメだし無しで褒められた。

「松本さんのあの質問に的確に答えたのには驚いたわ」

「ええ、まあ、なんとか」

頭をかきながら愛想笑いをする。

ーー全部入江くんのお陰でなんですけどね……

昨日直樹の書いてくれた指導案が完璧だったのだ。
さらには細かいメモ書きが幾つも付箋で付けられて、それにはこの辺りでこいつがこんな質問するだろう、という予測までなされていたのである。
そしてそれはほぼ的中した。
そうでなければ松本裕子の意地悪く容赦ない質問の雨に太刀打ちできなかっただろう。

だいたい『舞姫』の内容に共感できず、いまひとつ自分で登場人物の心情を読解しきれてないのだ。

だって豊太郎、ムカつく~~~

自分の感想がこんなもんなのに、生徒に高度な感想を導かせようとするのは無理があるというものだ。

教科書に載っているのは後半部分で、身勝手な男の懊悩にはイライラさせられるが、『舞姫』とは暫く付き合わねばならない。

「そうそう、相原さんの研究授業は来週の木曜のこの時間に決まったから」

「あ、はい」

学校中の教師全員に見学される研究授業は正直気が重い。しかしやらなければ実習は終了しない。

でも…… 2週間の教育実習なんて本当にあっという間………

直樹と学校で共に過ごせる時間はほんのひとときなのだ。
淋しいような……でも早く先生と生徒という立場を解消したいような……

複雑な想いの琴子であった。





現国の授業を終えた後、次は音楽の授業とかで生徒たちはガヤガヤと教室を移動する準備をしていた。

音楽室………

今回実習生に音楽担当はいないから、音楽室に行く用事は全くないのだが……
初日に学校見学をさせてもらい、記憶に残っていた音楽室の光景が、そのまま明け方の夢となったのかーーフラッシュバッグのように一瞬にして思い出され、一人赤面してしまう。

あんな……あんな淫らな夢…………

あまりにリアルで、直樹の指先の感触ひとつひとつ思い出されてしまう。

ーーああ、それもきっと図書室で2回もしちゃったせいだわ……

ーーでも、でも、もう、今日こそ絶対断固拒否なんだからーーっ

夢の中の1.5倍に拡大されていた細井校長がついちらちらと瞼の裏に浮かんでしまう。

ーー現実になりそうで怖い! 怖すぎるっ


はあ、とため息をついた時、自分の席で音楽室へ行く準備をしていた直樹が、すうっと教壇の前に向かってきて、琴子の間近まで近寄って来たので、思わず仰け反ってしまう。

「な……な、な、何?」

「黒板消したいんですけど、相原センセ? おれ、日直なんで」

「あ、はい。どうぞ」

そういえば琴子が板書した文字は黒板に残されたままだった。
赤や黄や青に紫と、カラフルに色を使った可愛らしい文字が、黒板の下半分に埋まっている。
背が低いから上の方に書くことが出来ないのだ。

背の高い直樹は軽々とそのカラフルな文字を消していく。
琴子もその横で手伝う。

「ね、入江くんってピアノ弾ける?」

唐突な琴子の質問に、
「さあ? 4歳まで習ってたらしいが」

実は女の子の格好をさせられていた時の話である。当時幾つか習っていたお稽古事は全部辞めた。

「4歳で辞めちゃったの? じゃあ弾けないか」

「あれから弾いてないが、4歳で『ラ・カンパネラ』を完璧に弾いたらしい」

発表会で愛らしいドレスを身につけ完璧にリストの超絶技巧曲を弾きこなした4歳の天才美少女は、翌年には姿を消して業界でほぼ伝説と化していたが、直樹にとっては黒歴史に過ぎない。

「へぇ~~」

ラ・カンパネラがどんなのか知らないので何とも言えない琴子である。

「それよりも」

頭上で直樹の低い声が降臨する。

「色チョーク使うと黒板消しがよごれるんだよね。ガキ相手じゃあるまいし」

「………ごめんなさい」

少しシュンと謝ってから、「あ、黒板消し、はたいとくね。音楽室行って! 遅れちゃうから」そういって直樹の持っていた黒板消しを奪い取り、窓際の片隅に走って、窓を開けて身を乗り出すと、パンパンと二つ合わせてチョークの粉を払い落とす。

えほっえほっ

チョークの粉にむせっていると、
「何やってんだよ、ばーか。今どきこんなことして叩くか。ちゃんと黒板消しクリーナーってもんがあるんだよ」
と、直樹が呆れたように黒板の横にある棚の上のプラスチックの箱のようなものを指差した。

「え……あれ、黒板消しクリーナー? 何に使うのかと……」

ちらっと横目でそちらの方を見た琴子だが、ふいに視界が白いものに覆われたのを感じた。

「へ……?」

唐突に窓際に押し付けられ唇が塞がれた。

ちょ……! ここ、教室!

殆どの生徒は音楽室へ移動しているとはいえ、まだ数人は教室にいた筈である。
ざわざわと声は聴こえる。

なのに、直樹は気にもしていないように堂々と琴子を抱きすくめ深くキスをする。
カーテンの内側でーー。

そう、直樹は窓の端に寄せられていた白いカーテンをさっと引っぱると、教室からの視界を遮断するべく互いの身体に巻き付けて琴子にキスをしていたのだ。
カーテンの下から二人の足が見えるが、その向こうで何をしているのかは分からない筈である。

「ん……」

放っておいたらいつまでも離すつもりの無さそうな直樹の背中を思わず持っていた黒板消しでぽんぽん叩く。


「入江くーーん? もう行っちゃった?」

松本裕子の声が教室に響いた。

「もう出てったんじゃない?」

渡辺の声もした。

ひ、ひぇ~~~

流石に直樹の唇は離れたが、そのまま微動だにしない。

「ふーん。いつの間に……」

「行こうぜ。おれたちも」

「ええ」

そして廊下の方へ出ていったようで、声は少しずつ遠くなっていく。
教室にも他の生徒の気配がなくなったところで、直樹はカーテンを元に戻した。

「も、もう! 教室でこんなこと……!」

真っ赤になって抗議する琴子に、今度は隠しもせずにちゅっとキスをして、さらに琴子の顔を沸騰させた。

「もう、誰もいないし」

確かに教室には誰もいない。

「ほら、もうすぐチャイム鳴っちゃうよ! 早く行って!」

火照った顔をはたはたとしながら、琴子は直樹を追い出す仕草をした。

「また、昼飯屋上に来いよ?」

直樹の誘いに、琴子は少し困ったような顔をして「ごめん、お昼はもう無理」としっかり断った。

「なんでだよ?」

あからさまにムッとしたような表情ではないが眉を潜めた具合が絶対不機嫌になったな、と思わせる。

「来週のクラスマッチ、教員枠で実習生もバスケのチームで出ることになったのよ。だからお昼休みはその練習しようってことになって……」


今朝いきなり、啓太の指導教諭の梅岡からそう告げられ、啓太以外の実習生は皆、一歩引いてしまったのだが。

啓太一人、「よぉーし、やるからには例え生徒たち相手でも手は抜かねぇぞ。わかったな、みんな! 今日から特訓だ!」
と、燃え上がっていたのである。

「ふぅーん。おまえ、バスケ出来るの?」

「授業でやったくらいだけど。でも、運動神経は悪くないのよ、これでも」

「スキーはどんくさかったけどな」

「う……。走るのはまあ得意なのよ。あとちょこまか動くのは」

「せいぜい顔面でボールキャッチしないように気を付けな」

「一応ね、生徒の優勝チームと対戦するの。確か入江くんのクラスが去年1年ながら優勝したんだよね?」

たいていA組はどの学年においても球技大会だの体育大会だのとは、勝利に縁がなく、関心も皆無。
なのに、直樹の率いるチームが最強豪の3年F組を破って優勝したのである。ほぼ直樹一人で防御して得点したといっても過言ではないが。

「啓太が……鴨狩先生が、絶対入江より得点するって。でもって、もし勝ったら実習終わったあとでご飯付き合えって」

「はあ? なんでそんな流れになるんた?」

「…………何でだろう? 気がついたらそんなことに……」



ーーおまえ、まだ春休みに弄ばれた男のこと忘れられないのかよ? そろそろ次にいけよ。

啓太には事あるごとにそうつつかれていた。
まさか「その男は此処の生徒でした」とは云えず、適当にあしらってきたのに、何故か今朝はいつまでも食い下がり、そしてそんな賭け事めいたことになってしまったのだ。

今年もバスケは入江くんのいるうちのクラスの優勝ね♪

2Aは入江だけだろ? 球技ってのはチームが力を合わせて勝ち取るゲームなんだ。そんな一人エースがいるだけで他はやる気のないチームなんぞ参加する資格ないね。

そ、そんなことないわよ。入江くん以外だって頑張るわよ。あたしが受け持ってるクラスよ? みんなにやる気出させて、チーム一丸となって取り組むわっ

よーし、そんなに言うなら、もし、おれが入江より得点したら?

啓太が入江くんより点とれる訳ないじゃない!
入江くんの方が身長高いし、運動神経いいし、かっこいいんだから!(←?)

じゃあもしおれの方が勝ったらおれとメシ付き合えよ。

いいわよ、そんなこと絶対ないから!



「ーーというわけで」

「おまえ……」

去年はテニス部キャプテン須藤の、『優勝したら部活練習免除』に乗せられて無駄に一人で頑張ってしまったので、今年は少々手を抜こうと思っていたのに。

「だからね、A組の他の子達にもぜひとも頑張って欲しいから、放課後はみんなにも練習してもらいたいと……」

他のクラスは部活が始まる前の20分ほどクラスマッチの練習をしているという。

「するわけねぇだろ。A組の連中は塾に直行だ 」

「そこを入江くんの人望でなんとか」

「知るかっ おまえが勝手に賭けたんだ。勝手に頑張れば? 熱血センセ?」

何だか直樹はさらに不機嫌になっているようだった。
そして皮肉めいた笑みを捨て去るように残して、さっさと教室を出ていってしまった。

………えーと………怒らしちゃった?

ぽつねんと教室に取り残された琴子は、チャイムの音で慌てて飛び出して行ったーー。








「入江、おまえどうした?」

「 何が?」

「眉間に皺よってる」

「いつもだろ? 」

少し遅れて音楽室に入ってきた直樹に、渡辺が不思議そうに訊ねた。

「いや。今週に入ってからおまえの眉間の皺率減ったような気がしてたんだけどな。柔らかくなったというか。表情が豊かになったというか」

「気のせいだろ?」

何も変わらねぇよーーそう呟いてそっぽを向いた直樹の背中をみて、渡辺は一瞬目を剥いた。

「入江……背中」

「 は?」

「黒板消しの痕。チョークがぴっしり付いてる………」

そう言ってくっくっと笑う。

「やっぱ、おまえ変わったって……」

ーー琴子のヤツ!

いつまでも肩を震わせて笑っている渡辺を横目に、自ら教室でイタズラを仕掛けた結果であることも忘れて軽くムッとする直樹である。

いや、しかし、それよりも。

さっき琴子と会話してから、どんよりと心に拡がってきた仄暗い想いがいったい何なのかーー
なんでこんなに不愉快な気分なのか。

その日の音楽の授業が「名曲鑑賞」で、しかも『魔王』だったりしたので、結局ずっと暗雲としたBGMをバックに、憮然とした気分を抱えたまま1時間を過ごしたのだった。






※※※※※※※※※※

ばたばたと2話に分けて申し訳ありませんf(^^;


そして音楽室も夢落ちで……f(^^;


エロいクラシックを検索したらみんな一様にお薦めするのが、『法悦の詩』でした(^w^)一応ようつべさんで聴いてみたけど5分で寝てしまいました。クラシックは耳馴染みのある曲以外はすぐに寝てしまいます(^w^)琴子ちゃんと一緒よー。
二番押しは『サロメ』でした。

m様、『別れの曲』は使わせてもらいました。『taboo』(ちょっとだけよ~~の曲です)を使うつもりで夢落ちにしたのに、何故か使えませんでした~~(((^^;)

さて。
少しは事件を起こさないとね。
定番商品の『嫉妬事件』をご用意させていただきました笑




君のいる、午后の教室 11.5

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マーガレット展&名古屋オフ会♪



お話の更新でなくて申し訳ありませんm(__)m
予告通りGW中は色々とやってましてブログにアップ出来る話は一ミリもまだ書いてません(ま、アップ出来ない話は実はこそこそとあれこれ書いてました……(^_^;))

そして、GW(世間的に)最終日の昨日。
イタキスをこよなく愛する母たちは、母の日とかは全く関係なく名古屋に集いました(^_^)
マーガレット展in名古屋。
待ちに待ったマーガレット展がようやく名古屋に来たんですよー!
いやーもう絶対飛ばされたかと思ってましたよ笑(恒例名古屋飛ばし)
だって、マーガレット50周年から既に2年経ってますって(ーー;)


はい、企画してくださったのはもちろん東海地域代表?イタキス界の大御所、ソウ様です。
ソウ様のサイトで募集をかけていただき集まったのは5名。
いつもうちのブログに遊びにきていただいてコメント下さるt様もm様も他県なのにいらしていただいて、名前の伺ったことのある名古屋近隣のa様も加わって、もうとーーっても楽しみでした。

お会いしたことがあったのはソウ様だけでしたが、なんとか集合場所で皆様とご挨拶でき、いざ、松坂屋美術館へ!!

数々の原画原稿にうっとりしてまいりましたよ。

でもソウ様やm様と昔の漫画の話をしていると間違いなく自分が若干(?)世代が上なの実感しましたわ。
私、別マ派でしたけど、美内すずえさんとか和田慎二さんとか描いてる時代の世代なんですよねー。
ああ、『フーちゃん』知らないんだ~~みたいな。思いっきり歳がバレるf(^^;

知ってる? 『フーちゃん』
昔、別マで連載してたミニ漫画。




どちらかというと花男もイタキスもリアルタイムは知らないので(笑)その頃はすでにがっつり同人やってちょっと腐った世界に足突っ込んでf(^^;王道恋愛ものは全く見向きもしてませんでしたわー。

ああ、その頃の尾崎南さんまで展示されてましたわ。……懐かしい。いえ、プロになってからの作品は読んだことなかったけど。(同人誌は読んでた笑)いいのか、マーガレット! と、当時かなりびっくりしましたよ。

マーガレットとといえば今や王道学園恋愛もの、ってイメージだけれどこうして変遷見ると、ほんといろんなジャンルあったよなーと感心いたしました。

サスペンスにホラーにスポ根にギャグ漫画に。
ああ懐かしい。
週マはコミック借りて、別マは自分で買ってたわ。
アランフェスとか、いつもポケットにショパンとか。伊賀のカバ丸とか。
日曜日はげんき!のおてんばセッチシリーズ。
懐かしいタイトルとイラストに釘付けでした(^w^)



今時の作家さんのはメディア化されたのくらいしか知らないのですが、皆さん生原稿美しいなーと感心してしまいました。ホワイトが少ない! 修正せずにこんなに綺麗に仕上げられるのか、と(デジタルではないと思うけど)変なところが気になる。

現在活躍中の作家さんがマーカーで書かれたというガラスの屏風は本当に美しかったです。

ああ、もちろん多田先生のはじっくり眺めさせていただきましたよ。
もう、大好きなイラスト、穴が開くくらい見つめてました。葉書も買っちゃったー(^w^)



ソウ様とお話ししながら観てたんですが、昔、イタキス展ってのも名古屋パルコであったんですねー。知らなかった……(T_T)……ってか、その頃一人で妄想してても、アンテナは全く立っていず……
3年前まで世の中にこんなにイタキス好きがいるとは知らなかったネット難民です。もっと早く出逢っていたかったです……(..)いやー映画化に便乗してまたイタキス展、やってくれないかな~~?


さて、その後グッズコーナーで例のガチャガチャ……缶バッジ。
どうかイタキスのあの名シーン~~!!と思いましたが当たったのはこれでしたorz



運試し、全員ハズレな感じで……

私はイタキスのグッズだけ買って(笑)
(でも少ないよー泣)






付箋とか。




↑これはもう絶対外せないでしょう(^w^)
以前買われた皆さん、使ったのかな~~?

さて、そのあとランチへ。
ソウ様が予約して下さったちょっと風変わりでお洒落なアリスなお店でランチした後、二時間居座って喋りまくり~~ 大江戸のお話しとかね~~いや、でも自分の話(キミゴゴ)のことを面と向かって振られるとちょっとこっぱずかしい……f(^^;

さてその後もう1度マーガレット展のSHOPに戻り、図録買って、皆様と記念のプリクラ撮りました♪
イタキスのフレームがなくってね……(T_T)
仕方ないので五人1度に撮れそうななるべく空白の多いフレームを選んで……それが『俺物語』に『青空エール』笑






いや、楽しゅうございました。

楽しい時間はあっという間で。
名残り惜しいですが夕方にはお別れしました。

ーーというわけでまたこんな機会がありましたら、今回は参加出来なかった皆様もぜひ♪

ソウ様、毎回色々企画を仕切ってくれてありがとうごさいます。
乗っかるばかりで申し訳ないですが……
また、よろしくお願いいたします(←また乗っかる気が満々ですww)

えーと、まだちょっとしばらく裏?作業をしてます。なかなかお話の更新はできないかもですが、日々妄想は拡大中ですのでしばしお待ちくださいませ(^w^)

















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管理人の、のののです。イタズラなキスにはまって、二次創作を始めました。

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