Hotto Mottoのkiss (むじかく様より)


イタズラなkiss期間2015


またまたむじかく様からお話をいただいてしまいました(^-^)v

タイトルを見てわかる通り、『Zutto Mottoのkiss』のパロディです。
いえいえ、パロディというよりは、しっかりうちのお話の続きのようでちょっとリレー小説ちっくなコラボです。
翌日の直樹目線のお話。
私の話が琴子目線の話なので、ちょうど繋がってる感じで。なので、カテゴリーは頂き物にいれましたが、イタキス期間のバナーも貼らせてもらいました。


できたてほっかほっかです、と先ほど届いたばかりなので、ほっかほっかですよー♪







※※※※※※※※※※※※




『26番ホーム 東京10:57発 博多行 ひかり110号 間もなく発車いたします・・・』

とうとう聞きたくなかった発車のアナウンスが耳に届く。

琴子は無理した笑顔で「あっ」と一言呟いた。

俺はとうとう来たかと覚悟を決め「じゃあな」といつもの顔、いつもの声で挨拶をする。

まるで何事もなく、また明日会えるかの様に・・・。

琴子も「う・・・うん」と言って小さく頷いた。

そう、俺達は別れない。これはただの・・・ただの試練だ。

ちょっとした我慢比べみたいなもの。

でも、我慢比べに弱すぎる琴子は「着いたら電話してね」だの「お弁当食べてね」だの「寝過ごさないでね」だの矢継ぎ早に口を開いては余計な心配をする。

お前じゃねーんだから失敗するかよ。

いつまでも声をかけ続ける琴子に、実は乗り遅れさせて行かせない魂胆か!?と勘ぐって「もう行ってもいいか!?」と声をかけてしまった。

琴子は「う・・・うん」と言いながら、まだグズグズし、挙句の果てに「お、お別れのキスしてもいーよ」と言って来た。

お前・・・kissどころか朝まで寝かせてもらえなかったのに、まだ言うか!?と聞きたくなる。

しかもお別れって何だよ。

こっちは別れじゃないと言い聞かせているのに・・・kissなんかするか。

その代わりに耳に囁く。

「感動の再会まで我慢しておく」と。

今ここでkissなんかしたら手放せない。

だから朝起きれないくらい抱いたのに・・・お前はこうして意地でも見送りにくるんだからな。

本当、恐れ入る。

その調子で俺と一緒に働く為に勉強頑張れよ。

『間もなくドアが閉まります』

そう言われてとうとう新幹線に乗り込んだが、ドアの前を陣取って琴子の顔を目に焼き付ける。

「あ・・・」と声を漏らす琴子に「勉強頑張れよ」と声をかけ、「じゃあな」と最後の挨拶をした。

ドアが閉まりゆっくり動き出す新幹線を琴子が追いながら・・・とうとう最後に涙を流した顔を見る。

平気な訳がない。琴子はいつ来るだろうか!?

本当は俺ですら連れて行こうかと迷ったんだから、お前が我慢できるはずないと分かっていた。

それでも・・・俺は琴子の強さを信じているから・・・。

琴子の色んな顔を思い出しながら、新幹線の指定席に座り過行く東京の景色を眺めた。


そういつまでも干渉に浸るのもガラじゃないので、荷物の中から医学書を取り出そうとして気づいた。

弁当・・・。

新幹線内で食べると言ったが、無理だと気づく。

開ける前から臭いが・・・。

お前、毎度毎度作っているものが弁当だと何故気付かない??

俺はサッと医学書を取り出すと、手早くボストンバッグのファスナーを閉める。

そして医学書を開く前に今日の手順を確認した。

まず駅についたらお茶とブレスケアを買おう。

それから部屋の水道を確認して、窓を開けながら弁当を食う必要があるなと段取りを頭の中で組み立てた。

洗濯機は・・・急いで取り付けないとな。

全く・・・少しの時間だけバッグに詰めておいたのに、こんなに強烈な臭気を放つとはお前一体何を仕込んだんだ??

きっとバッグの中はしばらく使い物にならないだろうと思いながら、タンスにボンを部屋中に吊るしたら何とかなるだろうか!?と早くも実験を試みたくなる。

衣服へのスプレー式消臭剤があると良いのだが・・・(その2年後に発売されるとは当時の直樹は知りようがなかった)

一応掃除用具を買う名目でドラッグストアーを覗いてみる事も視野に入れつつ、早く神戸に着く事を願った俺だった。


3時間少々で着いた時、まず俺がした事はボストンバッグから臭いが漏れてないかの確認だった。

サッと荷物を持ち、脇目も振らずに改札へまっしぐら。

駅構内で売店を探してお茶とブレスケアを買うと新居へ急いだ。

早く・・・早く・・・この弁当をバッグから出さなければ。

契約の折一度だけ足を運んだ新居の鍵を開け、すぐに荷物を紐解く。

バッグの中から即弁当を取り出してキッチンに置き、その他のにおいを確認しながら布団が敷かれていないベッドの上に荷物を並べた。

次、弁当を渡された時はどんなに臭いが大丈夫でも、とりあえずビニール袋で3重に包もうと思う。

しかし・・・朝まで確実に離さなかったという自覚はあるのに・・・あいつは一体どうやってこの弁当を作ったんだか。

その根性と心意気にビックリするやら、嬉しいやら・・・の他に、確実に困惑が含まれているが(決して迷惑ではないと言い聞かせる)それを無視して弁当の蓋を開けた俺。

ああ、やっぱり・・・。

何をどうしたのか真っ黒なから揚げと茶色い玉子焼きらしきものが入っている。

まずハンカチを尻ポケットから出し、シンクの蛇口を捻って水を出す。

しばらくその水を見つめた後、おもむろに手を洗った。

冷たい・・・。

今ここに琴子が居たら・・・なんていう俺らしくもない感傷に浸りながら素早く手を洗い、ハンカチで手を拭き、弁当を前に手を合わせる。

まるで神聖な儀式をしている様で自分でおかしい気持ちになる。

一応「いただきます」と声に出してから箸で玉子焼きを持ち上げた。

まず米に逃げても良かったのだが、米は最後の砦・・・ではなく、やはり琴子の手料理を最初に味わいたかったから。

このカマボコの様にかなり弾力のある物体を噛みしめながら、琴子の作品だなという感想を抱く。

ザリザリとした甘さの中に確実に来る苦味。そして期待するまでもなくガリッと歯ごたえのある触感・・・今日も当たり付きだ。

どこまでも舌触りの悪いそれを胃に収めながら、そう言えば胃薬を持参しなかった事を思い出す。

まあ、きっと大丈夫だろう。

次に憩いの米を口に運んでからメインだろう屈強なから揚げに挑む。

ガブリ・・・と噛んでみたものの、その先に歯が届かず一度口を外した。

俺の歯形ってこうなんだなとから揚げを見つめてから攻略法を考える。

サバイバルナイフを常備しておくべきだったかと後悔しながら、何とか箸で割ろうとしたらバキッとプラスチック製の箸が折れた。

成程・・・。

長さが不ぞろいな箸を器用に使いながら、俺はから揚げをチビチビやりつつ、他のおかずと米を口に運ぶ。

野菜も肉も玉子もきちんと入っているから、栄養的には悪くない。

問題は見た目と味だった。それもまあ、慣れているので問題ない。

俺は食べ終えてブレスケアを飲みながら、この弁当の改善点を考えた。

・・・今日はいうつもりもないが。後で箸だけは買って来ようと思いつつ、プラスチックの箸をさっそくゴミ袋に捨てる。

ノルマの弁当も食べ終えたから、と実家に電話をすれば琴子は疲れて眠っているという事だった。

想定内・・・でも、せっかく食べた弁当の感想を言いそびれて少し歯がゆい気分を味わう。

お前の喜ぶ顔・・・じゃなく、声が聴きたかったと思う俺に、電話を取ったおふくろが言う。

「琴子ちゃんの愛妻弁当は全部食べたんでしょうね。朝から張り切って一人で作ってたんだから、捨てたりしたら承知しないわよ」だと。

知ってたんなら止めろよっっっっっ

良い感じに風が吹きすさぶ室内で微動だにしない俺は返事をする。

「さっき食った」とだけ。

「琴子に宜しく伝えてくれ」と言って電話を切り、無駄にエネルギーを付けた俺は今日一日で全ての引越し作業を終えたのだった。


夕方になり、いくら時間が出来たといっても引越し初日から自炊する気にもなれず、必要な物も買い足しに神戸の街を歩く俺。

フラッと入ったドラッグストアでいの一番に見たのは他ならぬ胃薬だった。

手に取りながら「当分必要ないな」と棚に戻す。

あれから3時間が経過するが、俺はピンピンしているのだから。

実家から持って来た歯ブラシや洗面道具はあったが、裕樹と共同で使っていたシャンプーなどは持ってくる訳にいかずここで買う事にする。

大学生の時以来買っていなかった食器洗剤やティッシュなどもカゴに入れる。

ティッシュを買いながらそういえば・・・とある棚にも足を運んだ。

俺のサイズはあったが、残念ながら使う相手がいない。

今度・・・琴子が来たら買おうと心に決めてレジにカゴを置き、会計をして店を出る。

すると『ほっかほっか亭』なるノボリが目に飛び込んできた。

琴子の弁当は冷めていても強烈だったが・・・弁当は温かい方が上手いに決まっている。

今日の夕食はここに決め、幕ノ内弁当を頼む。

注文を受けた店員が俺の標準語に驚いた顔をしたので、やっぱりここは関西なんだと思い知る。

隣に琴子が居たら、たかが弁当を頼むこの店の店員とのやり取りにも割って入った事だろう。

それを想像し・・・騒がしい日常が少しだけ恋しくなった。

勝手に味噌汁をサービスされ、また来てくださいと言われるが家からそこまで近い訳でもなく、太陽が沈むどころか月が沈む時間に家に帰られたら御の字の俺には日常ではなさそうな店。

心の中で『いつかね・・・』と返事をし、琴子と来る日を想像する。

来年は一緒に来て、無駄に琴子が店員に噛みつく事を想像すると胸が躍った。

今度味噌汁を付けるのは俺かな、琴子と俺の分・・・。

などと考えながら家に着き、さっそく留守電のメッセージボタンが光っているのを見つけた俺。

すぐに再生すると、電話越しながら懐かしい琴子の声。

ずっと待っているから電話が欲しいと言い、電話前に陣取って動かないと脅迫されたら掛けざるを得ない。

俺はすぐに自宅へ電話をかけた。

かけて早速弁当の話をされ、きちんと食った事を報告させられる。そして今日の夕食の心配をされたので「お前の危険な弁当より安全かつほかほかな弁当の店が近くにあるから」と言うと、泣かれる。

喧嘩したい訳じゃない・・・こんな遠距離で・・・。

だから「今日買った弁当が冷めないうちに食いたいから、切るぞ。・・・次はこれに負けない弁当を期待してるから、腕上げてから来い」と言い、琴子の「分かった」と明るい返事を聞いてから電話を切った。

「分かった・・・か」

きっと分かってないと思う。

俺は温かくても食べられる味でも、琴子の作った危険極まりない弁当の蓋を開ける方が高揚感があるのだから。

そして悪態つきながらきっと食うんだろうと思う。

その時は・・・今日買わなかった二つの箱を、確実に買っているだろうと思いながら。





それから15年の時が経ち、俺は神戸に赴任してから1年後斗南大学病院に戻って、今は教授となり、琴子は斗南大学病院で念願の看護師として働きながら子供二人を育てる兼業主婦になっている。

あの1年の神戸生活は懐かしいなんて生易しい表現は出来ないが、あって然るべき期間だったと思う。

こうして琴子が約束通り1年で看護師資格を取り、俺と共に働き、たくさんの仲間に巡りあい・・・子供も二人持てた上に神戸時代の伝手から子供の命を守る事が出来ている。

出張で久しぶりに神戸の街を訪れた俺は、かつて散策と掃除用具を買う為に歩いた道を歩きながら、そこに懐かしい弁当屋さんがある事に気付く。

あの時はほっかほっか亭だったのに・・・今はHottoMottoという名称に代わって、でも変わらずに温かい弁当を提供している様だ。

気まぐれを起こしてその店に入り、かつて頼んだ幕ノ内弁当を頼む。

そして今度は温かい缶コーヒーかお茶がサービスと言われてお茶をもらった。

その弁当を持ちながら昔神戸に来た時とは逆に東京へトンボ返りする。

琴子と子供の待つ東京へ・・・

今や携帯電話が普及して、俺の手元にもそれがある。

携帯電話に着信とメールがある事を表示されていた。

俺はクスッと笑いながらそれを開くと、どちらも家からでメールには写真が添付されていた。

『パパへ 早く帰って来ないとママが寝ちゃうからね』という文面と、琴子のうたた寝の姿・・・の前でピースしている2人の子供が写っている写真。

俺はそれに返信する。

『弁当を買って新幹線車内で食べる事にしたから、お前たちは早く寝なさい』と。

きっと琴美は気付くだろう・・・お前たちに琴子が含まれない事を。

来年辺りにもう一人増えたらいいなと思いながら、俺は帰ったら即琴子を食おうと新幹線の車内でHottoMottoの弁当の蓋を開けた。








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イタキス期間のお題を上げた時から『ずっともっと』を『ほっともっと』に変換したネタいいですかー?とむじかく様からメールいただいて。思わずこのタイトル、何かに似ている、と思っていたので、そーかー『ほっともっと』 かーと思わずスッキリした私です。

そして、しっかりうちの設定に繋げていただきました。
プレスケア必須の爆裂弁当は夏休みにも登場しますしね。
20th anniversaryのうちの未来設定も使っていただいて嬉しいです♪3人目作る気満々ですね(うちは2014年に次女琴梨ちゃんが生まれてます)




むじかく様、毎度毎度ありがとうございます(^-^)/感謝感激、北に足を向けて眠れませんわー











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管理人の、のののです。イタズラなキスにはまって、二次創作を始めました。

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